忽那汐里、「家政婦のミタ」以来の制服姿はちょっと恥ずかしかった!?
伊坂幸太郎の同名小説を岡田将生主演で映画化したサスペンス・コメディ『オー!ファーザー』(公開中)。本作で、天真爛漫な女子高生・多恵子を演じた忽那汐里を直撃!初めて伊坂作品に出演した思いや撮影の様子について話を聞いた。
ユーモア溢れる会話、日常風景にファンタジックとスリルを融合させた作風で人気の伊坂作品だが、本作も“4人の父親がいる主人公”という特殊な設定だ。台本を読んだ忽那は、現実で起こり得る可能性があるところに魅力を感じたという。「非現実まで行き過ぎない、そのバランスが絶妙。ギリギリのところで行き交う会話や、男性しか家にいないという設定も面白いですね」
そう話す忽那の役柄は、岡田将生演じる男子高生・由紀夫の同級生、多恵子。由紀夫の家庭事情に首を突っ込み、思い立ったらすぐに行動に出る女の子だ。そんな多恵子について「間違いなく私の友達にはいないタイプ(笑)。でも、計算高くなく、自分の気持ちに素直なところが愛らしいですね。だから、由紀夫も冷たくできないんじゃないかな」と、客観的に分析。また、ドラマ「家政婦のミタ」以来の制服姿に、「最近は、高校生よりも年齢の高い役柄をやらせてもらう機会が多かったので、戸惑いました。撮影現場でも、岡田さんと『大丈夫かな~』って話していました(笑)」と、ちょっぴり恥じらいものぞかせる。
その岡田をはじめ、4人の父親を演じた佐野史郎、河原雅彦、宮川大輔、村上淳と、現場は自ずと男だらけに。数少ない女性キャストとなった忽那だが、短い撮影期間を悔やんだくらい撮影を楽しんだとのこと。そんな男性陣の姿には「妻の不在を心配したり、ふてくされたり、好きな女性に関して右往左往する姿が、男の子みたいでかわいくって。お父様方はアイドルのような存在でした(笑)」と、大人な女性ならでの感情も芽生えた様子。
そんな中で、忽那が刺激を受けたのは、今回初めて長編に挑んだ監督の藤井道人だったという。「若い監督ならではのカット割りや演出方法がとても斬新!自分も監督に対して先入観がなかったので、完成後はまっさらな状態で観ることができました」と話す彼女だが、藤井監督とは撮影前に運命的な出会いを果たしていたそう。「以前、広島で行われた映画祭で偶然にもお会いしたんです。広島が初めてだったので、賞にノミネートされている監督4~5人と一緒に観光したのですが、そこにいたのが藤井監督。しかも、その時にご執筆されていたのがこの作品だったらしくて!どの経緯でオファーしてくださったのかわかりませんが、すごく“縁”を感じているんです」
家族の愛情を感じられる、温かい作品に仕上がったと、本作をアピールする忽那。初めての伊坂作品、監督との出会い、彼女にとって思い入れの深い1本になったことは間違いない。制服姿に身を包み、伸び伸びと芝居をする彼女の魅力を堪能してほしい。【取材・文/トライワークス】