佐々木蔵之介が深田恭子を実家に招待！「親父が一番、喜んでいた」

幕府の陰謀で、無理難題を押し付けられた貧乏藩の奮闘劇を描く映画『超高速！参勤交代』が6月21日より公開。個性あふれるキャラクター陣がスクリーンを走り回る、楽しくて愛すべき歴史エンタテインメントだ。そこで、主演の佐々木蔵之介とヒロインを演じた深田恭子にインタビュー。佐々木が深田のために“おもてなし”をするなど、映画同様に、心温まる撮影現場の様子を教えてもらった。

湯長谷藩(現在の福島県いわき市)の第四代藩主・内藤政醇(佐々木)を主人公に、突如「5日以内の参勤」を強いられた貧乏藩が、数々のピンチに襲われながらも、ありえない奇策で立ち向かう姿を描く本作。人情、チャンバラとともに、佐々木と深田の見せるラブロマンスも見どころだ。

深田が演じるのは、政醇が宿場町で出会う飯盛り女のお咲役。口汚く気が強いが、実は乙女という、難役にチャレンジした。佐々木は「深田さんは、普段おっとりとしているでしょう？でも今回、お咲が取っ組み合いのケンカをするシーンがあって。スタッフさんのみんなが、『深田さんが1発で決めた』と話しているのを聞いて、『さすがやな』と思いました」と深田の女優魂に感心しきり。「深田さんも多分、相当プレッシャーがあったと思うんです。そんな中で大変なシーンをきちんと決められた。かっこいいなと思いましたよ」。

一方の深田は、「蔵之介さんの殿を見ているだけで、お咲の気持ちになれた」と佐々木に信頼を寄せる。「私は、蔵之介さんの後ろ姿がすごく好きで。首の感じやたたずまいが素敵。それはお芝居をしている時もそうですし、お食事に連れて行ってくださった時も、みんなが振り返るような歩き方で。もう、全然違うんですよ！私は蔵之介さんに一生懸命、付いて行ったんですが、たまに『ちゃんと付いてきているかな』とパッと振り向いてくださるのが、本当にかっこよくて。殿を演じている時も、そういう感じでしたね。蔵之介さんの殿は、ハマり役で素敵でした」と、品のある佐々木のたたずまいに惚れ惚れだ。

本作の撮影は佐々木の地元、京都で行われた。深田が「食事に連れて行ってもらった」と言うのも、佐々木の心遣いだった。深田は「最初は、京都の撮影所に行くという緊張もあって。でも、蔵之介さんが『京都に来てくれたんだから、おもてなしを』といろいろなところに連れて行ってくださって。現場でもたくさんお話をしてくださって、本当に救われました。感謝ですね」とニッコリ。共演者陣も、佐々木をはじめ、伊原剛志、寺脇康文、西村雅彦など男性ばかり。紅一点となった深田だが、「皆さん、本当に優しくしてくださった」と振り返る。

佐々木は「僕らがウワーッとやっている中に、後から深田さんが撮影に参加される形だったので。僕らはもう、なんとか迎え入れたいという思いでね」と照れ笑い。「せっかく来ているんやから、一人ではかわいそうやしなと思ったりね。僕がうなぎを好きなんで、『うなぎ食べ行こか』と言ったり、あとは伊原さんと一緒に家の蔵にも来たね。佐々木酒造に(笑)」と造り酒屋である実家にも招待したことを告白。これには深田も「日本酒の飲み比べもさせてもらって、すごく楽しかったです！」と声を弾ませ、佐々木も「家の親父が一番喜んでました。親孝行ができましたよ」とニンマリ。温かな絆を育んだ様子だ。

本作が生きの良い映画に仕上がっているのは、佐々木蔵之介が先頭に立って引っ張った、この仲間意識があってこそ。楽しい面々の活気と熱がそのまま映し出されているようだ。是非とも劇場で、清々しい歴史絵巻を楽しんでほしい。【取材・文/成田おり枝】