トム・クルーズだからできた!トラファルガー広場の完全封鎖の舞台裏とは?

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トム・クルーズだからできた!トラファルガー広場の完全封鎖の舞台裏とは?

トム・クルーズ主演映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(7月4日公開)のメガホンをとったダグ・リーマン監督と、プロデューサーのアーウィン・ストフを直撃。先日来日した彼らは、1日で大阪→福岡→東京を回るという“ループ・キャンペーン”をトムと共に強行した。そんな2人は、俳優としてのトムを心から称え、彼のあくなき挑戦への賛辞を惜しまない。

桜坂洋のSF小説を映画化した『オール・ユー・ニード・イズ・キル』。舞台は、熾烈な襲撃を受けている近未来の地球。トムが扮するウィリアム・ケイジ少佐は、本格的な戦闘を前にあっけなく命を落とす。ところが、その後、意識を取り戻し、自分が不可解なタイムループの世界にいて、何度も戦闘と戦死を繰り返していくことに気づく。

ダグ・リーマン監督は『ボーン・アイデンティティー』(02)や『Mr.& Mrs. スミス』(05)などを手掛けたヒットメーカーだ。今回のトムが演じたケイジは、最初は機動スーツも使いこなせない戦力外の兵士だが、何度も戦闘訓練をしていくうちに、心身共に鍛え上げられていく。監督はトムのことを「クレイジーな役者だ」と言う。これはもちろん、最大のほめ言葉だ。「クルーはみんな、トムからインスピレーションを受けたよ」と感心する。

プロデューサーも「トムは大スターでありすぎて、偉大な俳優だってことを見過ごしがち。でも、本当にすごいんだ。今回のトムは110%出し切っていたよ。トムは役に完全に入り込み、信じ切ってやっているから面白い。本当に怖がっているし、恐怖を感じているのもわかる。でも、そういう役だからこそ、トムはやりたがってくれたんだ」。

監督も「あんなに有名な俳優だけど、ある種、自意識がないというか、本当に役に溶け込むことができる」と同意。「そして何でもやる。みんなトムは、こういう人物だというイメージを持っていると思うけど、それとのギャップを感じるはずだ。そのくらい自分を捨てて新しいものに挑戦している。彼自身、恐怖感や恐れを表現することを怖がっていない」。

さらに、ダグ・リーマンは、『ミッション:インポッシブル』さながらに、トムは、不可能なことをすべて可能にしていくとも言う。実際、今回の撮影では、ロンドンの観光名所トラファルガー広場を完全封鎖し、ヘリコプターで降り立つシーンを撮影したと聞いてびっくり。

「さすがに長い時間は遮断できないから、カメラは11台も用意した。本当に息が詰まるかと思ったよ。あの広場は広いけど、軍隊の大きなヘリが降りるには小さかったかな(苦笑)。また、ヘリが揺れるから、みんながヘリ酔いしたけど、トムだけは全然平気だった。映画スターらしく、颯爽とヘリから降りてきたよ」。2人ともトムを「チャーミングなカリスマ。トムが微笑むだけで全てがOKになる」とうなずき合った。

本作についてプロデューサーは「とても独創的でオリジナルな物語。でも、ダグが、とても現実味を帯び、泥臭くて、リアルな作品にしてくれた」と太鼓判を押す。ダグ・リーマン監督も「すさまじいアクションはもちろん、本作にはユーモアがあり、さらに、ラブストーリーが加わっている。いろんな要素が共存しているところが最高だ」とアピール。

すでに先週末に先行公開を終え、いよいよ今週末に封切られる『オール・ユー・ニード・イズ・キル』。予断を許さない展開はもちろん、特殊なシチュエーションでのラブストーリーも見応えがある。3D映像だと、臨場感あふれる戦場シーンに心躍ること間違いなし。これは是非、劇場で体感したい快作だと思う。【取材・文/山崎伸子】

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