AKB48渡辺麻友、“正統派アイドル”としての悩みは「おとなしくなり過ぎてしまう」こと

インタビュー

AKB48渡辺麻友、“正統派アイドル”としての悩みは「おとなしくなり過ぎてしまう」こと

夢と冒険にあふれ、世界中を魅了する「ポケットモンスター」。2013年に放送を開始した「ポケットモンスターXY」シリーズの初の劇場版となる『ポケモン・ザ・ムービーXY「破壊の繭とディアンシー」同時上映「ピカチュウ、これなんのカギ?」』が7月19日より公開。短編『ピカチュウ、これなんのカギ?』でナレーションを務めるのは、AKB48の新センター・渡辺麻友だ。長く、幅広い世代に愛され続けるという意味では、ポケモンとAKB48の相性は抜群だろう。渡辺を直撃し、ポケモンとAKB48が愛される理由。そして、センターとして輝くための“個性”を聞いた。

今回の短編で描かれるのは、ピカチュウたちと、いろいろな世界へ行けるカギを手にした“かぎたばポケモン”のクレッフィーとの出会い。「子どもたちに、読み聞かせをするようなイメージを心がけた」という渡辺が、優しい語り口でワクワクの冒険へとナビゲートしてくれる。短編を見た感想を聞くと、「すごくハラハラドキドキしました」と目を輝かせる。「たくさんのポケモンが出てきて、みんな愛くるしくてすごく癒されるんです。でもその中でもいろいろな事件が起こって、ピカチュウたちがピンチに陥ってしまって!私もピカチュウたちと一緒に冒険をしている気分になって、すごく楽しかったです」。

“ポケモン映画”も今年で第17作目となった。「小さな頃からポケモンが大好き!ゲームも映画も家族で楽しんでいました」という渡辺だが、本シリーズが長く愛される秘訣について、「ポケモンたちにキャラクター性があって、それぞれが個性的で魅力的。何百種類とポケモンがいますからね」と分析。「それと同時に、トレーナーとポケモンの絆を通して、友情、愛情、命の大切さなど、私たちの日常においても大切なことを教えてくれる。そういう奥の深いところが、私たちを魅了しているんだと思います」。

12歳からアイドルグループ・AKB48に在籍。20歳を迎えた今、センターの栄冠を手にした彼女。ポケモンと同じように、AKBが幅広い世代から愛される理由をどう捉えているのだろう?「AKB48は常に変化をしているグループだと思うんです。秋元(康)さんが、『同じではなく、常に変化をしていかないといけない』とおっしゃっているように、毎年、いろいろな季節でいろいろな出来事があって(笑)。中にいる人間としても、AKB48は常に変化・進化をしているなと思いますし、そういったところが、見ている皆さんに楽しんでいただけているのかなと思います」。

常に変化の渦の中にいることは、さぞ大変なことなのではと想像するが、「確かに、落ち着かないです」と笑う。「選挙になると、この季節がやって来たなと思いますし、組閣があるとチームメンバーがガラッと変わったりします。でもいろいろな行事があると、自分の中でも、良い意味で感情をかき乱されて、それによって成長できている気がします。当初は、『大変だな』と思うこともありましたが、徐々に『成長につながること』と考えられるようになりました。そういう壁を乗り越えてきたからこそ、今があると思います」。

ポケモンの魅力は「それぞれのキャラクターの個性」とのことだが、AKB48もしかり。バラエティ豊かなメンバーがそれぞれの個性を放っているが、新センターである渡辺にとって、自身の“個性”と思うこととは何だろう。「私は“正統派アイドル”と言っていただいたりするのですが、自分でも常に『アイドルでいよう、アイドル力は高めていたい』と心がけているので、それは嬉しいことだなと思います」。

続けて、意外な一面についてこう話してくれた。「あと、ファンの方に言っていただけるのは、“ギャップ”です。メディアではあまり出ない面ですが、正統派アイドルという一面とは違う、はっちゃけた部分があるんです(笑)。ちょっと変わった一面があるようで。そんなところが、ファンの方にはワクワクすると言っていただけています」。一方、短所に感じているところについて聞いてみると、「はっちゃけられずに、おとなしくなり過ぎてしまう時があります。難しいですね」と悩み顔。

葛藤しながらも、「常に自分のいる場所より上を目指したい」と真っ直ぐな瞳を見せる。可憐な容姿はもちろん、この真摯でどこまでもストイックな向上心が、一番の彼女の魅力であり、武器なのだろう。「自分の夢に正直でありたい」と突き進む彼女の行く先が、これからも楽しみで仕方がない。【取材・文/成田おり枝】

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