鶴瓶、吉永小百合に手を握られ「ほんまに俺のこと、好きなんちゃうか」とご満悦!
吉永小百合主演、『八日目の蝉』(11)の成島出監督作『ふしぎな岬の物語』(10月11日公開)の完成報告会見が7月16日に都内のホテルで開催。会見には、本作の主演と、初めてプロデューサーも務めた吉永と、キャストの阿部寛、笑福亭鶴瓶、竹内結子が登壇した。本作が第38回モントリオール国際映画祭コンペティション部門に出品されるということで、吉永は「しっかりアピールできるようにトレーニングしたいです。フランス語でご挨拶をしないといけないかしらってことで、練習したいです」と気合十分だった。
阿部は吉永と共演して感激しきりの様子。「今回、この撮影に入る前も終わった時も、お手紙をいただきまして。5通くらいいただきました。油断すると先に挨拶されてしまう」と言うと、竹内もそうそうとうなずく。阿部は「現場はとても温かく、1か月半、一演技者として幸せでした」と言うと、竹内も「女優の道を目指したからには、一度はご一緒させていただきたいと思っていました」と喜びを口にした。
『母べえ』(08)『おとうと』(10)に続いて吉永と共演した鶴瓶は、阿部に対抗し「僕も吉永さんからの手紙、4通持ってます」と自慢。今回、吉永扮する悦子と交流する役柄ということで「普段の接し方も『弟』の時と全然違う。手を握ってきたり、腕を組んできたりしました。マナブくーんとか、本名で呼ばれる。ほんまに俺のこと、好きとちゃうんかなと」と鼻の下を伸ばし、会場の笑いを取った。
吉永は、見せ場の長セリフについて「映画のなかでこれだけ長いセリフを言うのは初めてで、緊張しました」とのこと。「1人で自主トレをやっていましたが、成島監督から『これはぶっつけ本番でいきます』と言われて。それも初めての経験で、それにつき合ってくださった阿部さんが大変だったのではないかと」と吉永が阿部にお礼を言う一幕も。阿部は「絶対、ミスしちゃいけないと思って、吉永さんのセリフを全部覚え、マネージャーと練習しました」と振り返り、同シーンについて「あの集中力と一体感は、演技を超えたものでした」と絶賛した。
『ふしぎな岬の物語』は、房総半島にある実在の喫茶店をモチーフにした、森沢明夫の「虹の岬の喫茶店」の映画化作品。吉永は店主役に扮し、喫茶店を訪れるいろんな人々と交流していく。モントリオール世界映画祭では、日本時間で8月29日(金)に上映され、9月2日(火)の早朝に発表される。【取材・文/山崎伸子】