中井貴一、広末涼子に惚れた!妻役への熱烈ラブコールを受けて、広末も照れ笑い
浅田次郎の短編小説を映画化した『柘榴坂の仇討』(9月20日公開)のプレミア試写会が9月9日に丸の内ピカデリーで開催され、中井貴一、阿部寛、広末涼子、真飛聖、若松節朗監督、原作者の浅田次郎が登壇。中井が、「時代劇が不振と言われておりますが、そんな中、日本人の心を真っ正面からとらえた映画になりました」と、映画への思い入れを熱く語った。
本作は、主君を失って仇敵を追い続ける男と、追われながら孤独に生きてきた男との運命的な出会いを、激動の時代を背景に描く物語。広末と真飛は、艶やかな着物姿で登場し、その美しさに会場からもため息がこぼれていた。
中井と阿部が敵同士を演じるが、阿部は「貴一さんがこの役をやられると聞いて、『ぜひやらせてください』と言った」と、中井との共演が、本作への出演の決め手となったという。しかしながら、中井と阿部が今回演じるのは敵同士とあって、阿部は「現場では、貴一さんと話をしない覚悟で挑んだ」とカメラ前以外でも緊張感を保とうとしたとか。続けて「でも初日にトイレで会ってしまって。なるべくしゃべらないようにしたんですが、そういう緊張感が出ていると思います」と、裏話を披露して会場も大爆笑。一方の中井は、阿部が話をしてくれなかったことについて、「さみしかった」とポツリとこぼし、こちらも笑いを誘っていた。
初共演にして、夫婦役を演じたのが中井と広末だ。広末は「映画で時代劇をやるのは初めて」とのことだが、中井扮する金吾の妻・セツ役に広末をプッシュしたのは、中井だったそう。中井は「飛行機の中で見た映画に、広末さんが出ていらして。あるワンカットを見て、セツという役には広末さんだと思った。帰ってきて、『広末さんが良いと思う』と監督にお願いして。望みが叶った」とニッコリ。若松監督が「中井さんは広末さんをじーっと見つめていた。惚れているんですね」と茶々を入れると、中井も広末も照れ笑いを見せていた。
原作者の浅田は「ずいぶん前に書いた、短いささやかな小説を素晴らしい映画に仕立てていただいた」と完成作に感動しきり。「日本の映画だなという感じがしています」と太鼓判を押していた。最後には中井が「時代劇の火を灯し続けなければならない。日本の文化でもあります。どんなに灯火が小さくなっても、映画を作り続けるという努力が僕たちの使命だと思っています」と時代劇への並々ならぬ思いを明かし、舞台挨拶を締めくくった。【取材・文/成田おり枝】