柘榴坂の仇討|MOVIE WALKER PRESS
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柘榴坂の仇討

2014年9月20日公開,119分
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歴史小説から現代劇まで幅広いジャンルを手掛ける浅田次郎の短編小説を、『沈まぬ太陽』の若松節朗監督が、中井貴一&阿部寛主演で映画化した人間ドラマ。主君を失い、切腹することを許されずにただ仇討を続ける男と、その最後のひとりの男との運命的な出会いが、江戸から明治へと移り変わる激動の時代を背景に描かれる。

予告編・関連動画

柘榴坂の仇討

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

桜田門外の変で主君・井伊直弼を目の前で失った彦根藩士の金吾。両親は自害し、妻は酌婦に身をやつすも、金吾は切腹を許されず、仇を追い続けることに。それから13年、明治の世となり、政府から仇討が禁止されるなか、金吾は最後のひとり、佐橋十兵衛を探し出す。十兵衛は車引きの直吉と名を変えて生き永らえていた。

作品データ

映倫区分
G
製作年
2014年
製作国
日本
配給
松竹
上映時間
119分

[c]2014映画「柘榴坂の仇討」製作委員会 [c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.8
  • rikoriko2255

    3.0
    2014/10/12

    私は歴史家の父の娘であるから、歴史が好きだ。特に幕末は大好物だ。 なので、この時代背景も時事の改革も理解しているのだけれど、知らない人の為に言っておきたい。 勿論知っている人は知っているだろうし、興味の無い人は興味が無いだろうけど。 マシュー・C・ペリー提督率いる黒船が米フィリモア大統領の使いで浦賀にやって来た時、12代将軍徳川家慶は病床に有りました。 彼は大層水戸徳川家の徳川斉昭を気に入っていて、万事彼に相談して慎重に進めるように・・と言っていました。 そして亡くなった後、徳川家定が13代将軍になりますが、彼には知的障害が有ったと言われています。なので早々に将軍職から降り、14代将軍として期待されたのが、水戸徳川家から徳川御三卿のひとつ一ツ橋家に養子に行った慶喜です。彼は幼少の頃から「英明ニシテ胆力アリ」と諸藩にも期待されていました。 それなのに、なぜ将軍になれなかったかというと、父親の斉昭公が大奥に嫌われていたから・・と言われています。 そもそも、水戸徳川家は有名な水戸光圀公(水戸黄門)が説いた「水戸学」を重んじています。 この水戸学では日本の代表は朝廷であると説いているのです。すなわち究極の攘夷派なのです。 紀州派井伊直弼とは対極です。家定の従弟13歳の慶福を推してきます。そして、水戸徳川家と紀州徳川家の貧乏公家さんたちを抱き込むための賄賂合戦暗殺合戦が繰り広げられます。 この時すんなり慶喜公が将軍になっていたら、もっと違った開国になったんじゃないかと思いますね。 そう言う訳で、水戸徳川家は破れ、一ツ橋家と共に政治の世界から遠ざけられます。 家定を意のままに操り大老となった井伊直弼。しかし徳川家茂と名を改めた14代将軍は13歳の少年。 この大事に国を治められるはずも無く、尊王攘夷派という過激テロリストたちが幅を利かせて来ます。 作中も出てきますが、井伊大老は吉田松陰たち時の思想家を処刑しました。 攘夷志士の代表格長州藩の高杉晋作は吉田松陰の弟子ですから彼の復讐心に火を付けましたね。池田屋事件の元となった京都の攘夷志士の案内役古高俊太郎も師を殺されています。 家茂公に強引に和宮様を御輿入れさせたのも彼の采配ですが、コレで彼女の婚約者有栖川宮様の怒りも買いました。 そうして敵を作りまくった挙句、手に負えなくなり慶喜公を守護職として会津藩松平容保と共に家茂に付けるのです。 彼らが悪化させた江戸幕府への不満の後始末を15代将軍となった徳川慶喜公が大政奉還、江戸城無血開城という形で付けます。架空の錦の御旗を作り上げ旧幕府軍の家臣たちを寝返らせた薩長は、それでも恨みの晴れず旧幕府派の武士たちを監督、冷遇しました。 作中町民に責め立てられる元武士を志村金吾が庇います。その時真っ先に助け舟を出した越後長岡藩の元武士。越後長岡藩は旧幕府側でした。廃藩置県の際、旧幕府派の藩は基本的に名前を取り上げられました。当時の越後で一番栄えていたのは長岡です。 しかし県は新潟県。当時名も無い小さな漁村でした。恐らく彼も酷く酷く冷遇されて来たのでしょう。 逆に志村金吾の彦根藩はさっさと錦の御旗の元新政府軍に鞍替えしたのですがら、志村金吾も内藤新之助のように、武士を捨てればそれなりの要職につけたかもしれません。 彼ら元武士の腹の内を思うと、とてもとても言い尽くせない思いが有ると思います。 新政府の舵取りは不安定で、町民も必ずしも歓迎して居た訳ではなく、治安も乱れました。 新政府は静岡に隠居した慶喜公が水面下で兵を集め政治を取り返しに来ないかという不安も抱いていたと言います。 だから彼の台所が潤うとすぐに邪魔をしました。 それらが杞憂に終わるのは後の歴史を見ればわかるのですが。 当時の孝明天皇は究極の外人嫌いだったそうですから、井伊大老は朝廷を無視して開国を急いだのでしょう。 彼のしたことのしわ寄せが全部慶喜公に来たわけです。 それでも、命懸けの訴えは蔑にしてはいけない・・と彼が本当に行ったのなら、ちょっと見直すかな。 何にせよ、浅田次郎氏の原作本は素晴らしいだろうと容易に想像できます。 特に人力車で柘榴坂を登りながら牽制しあいながらの会話。 コレは絶対グッとくるだろう。彼の筆でなら。是非とも原作を読まなくては‥と思いました。

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    ネタバレあり
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  • rikoriko2255

    パライバ

    4.0
    2014/9/24

    口跡の良い俳優さんが多く、心地よい作品でした。 井伊大老の吉右衛門さんはさすが舞台俳優、とにかく台詞が聞き易い。 そして主人公の中井さんは某サラメシのナレーションを毎回楽しみにしていますが、とっても美声かつとても口跡が良いのに感動。 阿部さんは一か所だけ聞き取れない台詞があったのが残念。 仇討の結末は、予想できたことではあるのに、静かな余韻が残りました。

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  • rikoriko2255

    門倉カド(映画コーディネーター)

    4.0
    2014/9/23

    【賛否両論チェック】 賛:仇討ちというテーマを通して“生きること”を問いかける、異色ともいえる時代劇。ラストの30分近くに渡る中井貴一さんと阿部寛さんの掛け合いは、見応え充分。 否:展開そのものは至って単純かつ単調なので、眠くなるかも。 ストーリーそのものは単純明快で、展開も結構単調なので、興味がないと眠くなること請け合いです(笑)。そんな中でも、仇討ちモノの時代劇にしては珍しく、〝生きること”ということを全面に訴えかけています。時代の流れに取り残され、ただひたすら仇を探すことでしか生きられない主人公と、死ぬに死に切れず、1人きりで息を殺して生きるしかなかった暗殺犯。一見正反対な2人の生き様の、それぞれに胸を打つ人間模様がひしひしと伝わってきます。そして、ラストのお2人のやり取りは、鬼気迫る中にも奥深さがあり、必見です。 作品の雰囲気に違わない、重厚な作品です。

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  • rikoriko2255

    KI-ki

    4.0
    2014/9/20

    昔の日本らしいけど… 金吾が信念の中で探そうとしたもの 覚悟を決めたような十兵衛の無口な静けさ 運命に従う生き方 侍の心を忘れぬ人々 一途に夫を支える妻 明治になっても、いや、平成の今でも、忘れたくないものが此処にあった。 雪の中の椿、強く美しかった。

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  • rikoriko2255

    barney

    4.0
    2014/9/12

    江戸から明治に時代が変わる中、変わらずに武士の魂を守り通した姿は、切なくて哀しくて美しかった。 二人の男心にも、日本人としての心を見たって感じで泣けた~~~ぁ。 ま~ぁ、時代が変わっても無くしてはいけないものはこれだって感じ!? 中井貴一ははまり役だね。 必死に夫を支えるセツの姿もよかった~ぁ。 最後は二人で...................グッときたよ。 阿部が演じる佐橋側の心情がイマイチ説明不足だったかな!?

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