柘榴坂の仇討|MOVIE WALKER PRESS
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柘榴坂の仇討

2014年9月20日公開,119分
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歴史小説から現代劇まで幅広いジャンルを手掛ける浅田次郎の短編小説を、『沈まぬ太陽』の若松節朗監督が、中井貴一&阿部寛主演で映画化した人間ドラマ。主君を失い、切腹することを許されずにただ仇討を続ける男と、その最後のひとりの男との運命的な出会いが、江戸から明治へと移り変わる激動の時代を背景に描かれる。

予告編・関連動画

柘榴坂の仇討

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

桜田門外の変で主君・井伊直弼を目の前で失った彦根藩士の金吾。両親は自害し、妻は酌婦に身をやつすも、金吾は切腹を許されず、仇を追い続けることに。それから13年、明治の世となり、政府から仇討が禁止されるなか、金吾は最後のひとり、佐橋十兵衛を探し出す。十兵衛は車引きの直吉と名を変えて生き永らえていた。

作品データ

映倫区分
G
製作年
2014年
製作国
日本
配給
松竹
上映時間
119分

[c]2014映画「柘榴坂の仇討」製作委員会 [c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.8
  • あちゃぺ

    3
    2016/4/30

    2つの苦悩がありました。
    1つは、主人公の彦根藩士志村金吾。
    あの事件以降、時代は大きく早く変わります。
    しかし、彼の時間は止まったまま。
    あの事件の下手人を追う苦悩。
    もう1つは妻。
    物言わず…着物を売り、自らが働き
    仇討ちに懸ける彼に尽くします。
    その姿が切なく、いとおしい…。
    客観的には苦悩ですが、果たして主観的には?

    言いたいことをなかなか言えない
    口数少なく頑固
    こだわりありすぎ
    一度言い出したら聞かない
    そんな日本人たちが描かれように思えます。

    ド派手なアクションや濃厚なラブシーンはなく
    静かに静かに展開されますが、
    どこか熱く、「ふふふ」と共感できる映画。

    広末涼子の奥さん役…ええ味だしとりますばい!

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  • えこう

    5
    2014/12/7

    物語だけ見ると桜田門外ノ変のその後ということになろう。
    佐藤純彌監督による「桜田門外ノ変」が公開されたのが4年前。今度はその後の武士の生きざまを捉えた「柘榴坂の仇討」としてスクリーンに戻ってきました。

    安政7年3月3日江戸城桜田門へ向かう井伊家の行列を襲われます。
    金吾(中井貴一)は敵の一人を追って持ち場を離れたすきに直弼の命を奪われてしまいます。金吾の犯した罪は重く、切腹さえも許されず逃亡した浪士の首を挙げて墓前に供えよとの厳しい命令が下されます。

    仇の行方を追い続け、13年の月日は流れ、時代は明治になり、武士の世は終わり、もう仇討を命じた彦根藩もない。しかし金吾だけは武士の身なりで、仇討の時を探し続ける姿はもう切ないです。

    やくざ者に絡まれる場面では、なくなったのではない。侍は姿形は変われどもどこにでもおる。
    というセリフが胸に突き刺さりました。

    そして金吾の助け船を出したのは、かっての侍仲間だったというのだから。

    そして直吉と名を変え今は人力引き(俥夫)となる佐橋十兵衛と相対することになり柘榴坂で斬り合うことに。
    おりしも仇討禁止令が公布されます。

    この垣根を越えてはくれまいか。生きてはくれまいか
    という言葉にはグッときました。 
    13年間互いに苦しみ抜いてきたのです。和解とまではいかなとも今、両者の垣根が取り去られたということ、ほんとにこの展開の素晴らしい。
    かっては敵だったかもしれないけれど、許す気持ちは平和な世界を生みます。

    そして両者を取り巻く、セツさんであったり、マサさんであったり女性たちの気品さがまた美しいのです。

    配役陣もよいですね。中井貴一と阿部寛との共演は見ごたえあったし、時期をそう違いなく 同じ時代劇で蜩ノ記も公開されています。見比べてみるのも面白いかもしれませんね。
    この秋は時代劇作品が注目ですね。

    武士の威厳を見せつけられたような気がします。
    歴史を語りかけるそんな作品でなかっただろうか。
    時として椿をアップで見せる演出とか、役者のセリフはなくとも感動させられるシーンもたくさんありました。
    動と静、ぴったりはまったいい作品。

    映画はひたむきに生きる人間を追いかけ続けます。
    辛かったのはお一人ではありますまい。難儀は奥方でありましょうとセリフからも。内助の功を切に訴える素晴らしいです。

    井伊直弼もこれまで数々の役者さんが演じてこられましたが今回の中村吉右衛門さんもよかったなあ。
    さらには久石譲さんの音楽も魅力でした。
    原作の浅田次郎さんも町人の役で出演されているのも注目かな。

    物語からは十兵衛はいつかは討ってくるであろう相手を待っているかのように映ります。ほんとに人として生きることを奪われてしまいますが自分を殺すかのように生きている。ほんとに切なさに胸を締め付けられます。
    しかし同じ長屋に住む幼い娘チヨにだけは笑顔を見せます。
    お嬢に金平糖をあげてくださいと照れくさそうに渡すところなんかいいシーンでした。

    ほんとに今の時代だからこそ 忠義を重んずる姿は私たちに何かを語りかけているように思えてなりません。
    日本人ならば観ておきたいそんな映画だったのではないでしょうか。
    鑑賞できてよかったです。

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    ネタバレあり
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  • ひつじ

    3
    2014/12/6

    桜田門外の変が、なぜ容易に遂行できたのか、そしてその警備隊長のその後はどうなったのか、隠されていた歴史がよく分かった。

    主君に尽くす、ということは誠実であると同時に、自由意思を失うこと。その意味において、マインドコントロールされた状態にあるということができる。

    明治になって武士がどのようにマインドコントロールから解放されたのか、その苦しみがよく分かりました。

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