大ヒット小説 「イニシエーション・ラブ」が実写映画に!
甘く切ない、青春の恋。一見純粋なラブストーリーが、最後の2行で驚愕のミステリーに変貌する。その独創性が話題を呼び、14年10月現在で112万部を突破した乾くるみ原作の大ヒット小説「イニシエーション・ラブ」の映画化が決定した。
原作の小説は、発売以来、口コミで評判が高まり、最近はUVERworldのTAKUYA∞や、アンジャッシュの渡部健、女優の広瀬アリスなど芸能界関係者からも推薦の声が上がり、重版を重ねている。特に今年3月3日に放送された「しゃべくり007」で、くりぃむしちゅーの有田哲平が「これはもう最高傑作のミステリー」と大絶賛したことから、書店での売れ行きが爆発的に伸び、翌4月には発行部数100万部を突破。まさにその衝撃的なトリックにとりつかれた読者による口コミの力が作ったベストセラーといえる。
物語は80年代後半の静岡と東京を舞台に、Side-AとBの2編で綴られる青春ラブストーリー。合コンで出会ったふたり、就職活動中の奥手な大学生・鈴木と歯科助手・マユのぎこちない恋愛模様を描いた静岡編(Side-A)。就職して上京した鈴木が静岡に残ったマユと遠距離恋愛を始め、その関係が徐々に崩壊してしまう東京編(Side-B)。バブル最盛期の雰囲気を盛り込みながら、若い男女の切ない出会いと別れを描いた本作だが、実は、原作では最後の2行で、映画ではラスト5分で、甘くて切ないラブストーリーから驚愕のミステリーに変貌する。
そのトリックの特性ゆえに、“映像化不可能”と言われた原作だが、『20世紀少年』3部作、『トリック』『SPEC』シリーズを生んだ稀代の映像作家・堤幸彦が、原作者協力のもと、新たな映像的ギミックを盛り込みながら実写化に挑む。主人公・鈴木を松田翔太、ヒロイン・マユを前田敦子、東京編で描かれる三角関係で登場する美弥子を木村文乃がそれぞれ演じる。
堤監督と十数年前に出会い、今回主演に抜擢された松田翔太は、「監督と改めて俳優としてお会いでき、とても嬉しいです。台本と原作を読ませていただき、80年代ならではの男女の交際や、原作の持つ世界観がとても面白いと思いました。皆さんにこの世界観に浸って、シュールなミステリーを味わっていただきたいと思います」とコメントを発表した。
ヒロインの前田敦子は、「今回の役柄は今まで体験したことのないキャラクターで、設定も自分が生まれていない時代なのでとても楽しみです。人気がある原作なので堤組の皆さんと一緒に盛り上げていきたいと思います」と語り、原作のファンという木村文乃は、「ほとんどが松田さんとの会話のシーンになるので、ふたりの微妙な距離感とちょっとした駆け引きを、空気感を大事に丁寧に重ねていけたらと思います」とコメントしている。
また、監督の堤幸彦は「なんて挑みがいのある作品なのか!時代設定、キャラクター設定、そして驚愕のストーリー設定、すべてが映画的だ。最高のキャストと我がチームの持てる力をフル動員して、この一筋縄ではいかない『イニシエーション・ラブ』に挑みたい」と意気込みを語った。映像化不可能といわれた同作が、堤監督によりどんな映像に仕上げられるのか?今から楽しみだ。【Movie Walker】