『フューリー』はありふれた戦争映画とは違う!デヴィッド・エアー監督が熱い想いを明かす
第二次世界大戦下ヨーロッパ戦線を舞台に、たった1台の戦車でドイツ大軍を相手に戦い抜いた5人の兵士たちの絆を描く『フューリー』が11月28日(金)より公開される。
監督を務めるデヴィッド・エアーは、元海軍で潜水艦乗組員という異色の経歴を持ち、『U-571』(00)や『トレーニングデイ』(01)などの脚本を経て、05年に『バッド・タイム』で監督デビュー。本作では脚本と監督を務め、アカデミー賞ノミネートも囁かれる中、作品に込めた想いを熱く語るインタビュー動画が到着した。
「この映画は、ノルマンディー上陸作戦やバルジの戦いなど、アメリカ軍が参戦した有名なバトルを讃えるありふれた戦争映画とは違い、忘れられている部分、ナチス政権の最後の抵抗を描いている」と強調するエアー監督。つまり、これまでの戦争映画で語られてきたアメリカ軍の武勲や勝利を讃えるものではなく、戦争そのものを真っ向から描こうとしたのだ。
「第二次世界大戦では、勝つか死ぬまで戦うか、さもなければ重症を負って帰されるかの戦争だった」と第二次世界大戦に従軍した兵士たちがいかに過酷な状況下で戦っていたかを語る。本作に登場する5人の兵士たちは、日々の戦闘をやっとの思いで生き延び、疲弊し、死と隣り合わせの状況にありながらも互いを信頼し、ともに戦うことで生き抜こうとする。「これは、極限状況に置かれた男たちの物語だ。どんな時もともに過ごし、一瞬一瞬に命をかけながら、1時間、1日を生き延びようと戦っている」とエアー監督は説明した。
また、ブラッド・ピット演じる戦車長ウォーダディーの指揮の下、最も重要な存在となる、ローガン・ラーマン扮する新兵のノーマン。ウォーダディーは仲間の命を守るためにノーマンの無垢さを剥ぎ取り、戦場で即座に動けるように厳しく教え込んでいく。
「本作は1人の少年ノーマンの成長物語でもあり、戦争の残酷さを伝える物語でもあるんだ。ノーマンとウォーダディーの関係こそが、この映画の真髄だ」と物語の本質を語る。長年の戦場での経験から“ウォーダディー”と呼ばれ、威厳と尊厳を兼ね備えた父親的な存在の戦車長と、経験値ゼロで副操縦手として配置され、戦場での残酷な現実に悩み葛藤する新兵。そんな2人を演じたブラッド・ピットとローガン・ラーマンが11月15日(土)に行われるジャパン・プレミアのために来日する。彼らのコメントにも注目だ。【Movie Walker】