野村周平、二階堂ふみに頭をぶん殴られ、「怖かった」

インタビュー

野村周平、二階堂ふみに頭をぶん殴られ、「怖かった」

アフロヘアで、裸でギターをかき鳴らし、元気いっぱいにシャウト!このハチャメチャなロック野郎こそ、『日々ロック』(11月22日公開)で突き抜けた熱演を見せた野村周平だ。本作は、榎屋克優の同名コミックを、『SR サイタマノラッパー』シリーズの入江悠監督が映画化した、痛快青春ロック映画。とことんイケてない主人公・日々沼拓郎役に、野村がどう挑んだのか?単独インタビューをして、『日々ロック』漬けだった日々を語ってもらった。

金なし、風呂なし、彼女なし。でも、熱いロック魂を持つ、童貞のギタリスト・日々沼拓郎役を、オーディションで勝ち取った野村。「僕は楽器もできないし、音楽もそんなに聴いてこなかったのですが、オーディションでは裸で演奏して、受かることができました。決まった時は、すごくうれしかったので、アフロにすることへの抵抗は、全然なかったです。地毛でやったので、そこからパーンと日々沼に切り替えることができました」。

挙動不審な雰囲気を醸す日々沼役。おどおどした仕草は、現場で身につけていったと言う。「あれは、気持ちが前に出過ぎているので、あんな体勢になっているんです。あと、漫画を読んでいたので、その雰囲気を保ちつつ、入江監督からは『地面をはうような人でいてくれ』と言われたので、ああなりました。普段であれば、恥ずかしい芝居をいっぱいやっていたけど、恥ずかしさを全然感じなかったってことは、たぶん日々沼になっていたんだろうなと。これまでこういう役は演じたことがなかったです」。

日々沼と交流する、凶暴なアイドル宇田川咲役を演じた二階堂ふみについては「すごく衣装もかわいかったし、完全にアイドルに成り切っていました。今回、彼女は宇田川咲が着る普段のファッションもスタイリングしていて、自分で何から何までやるってところがすごかったです。熱心な方だなと感心しました」と賛辞を送る。

咲にビール瓶で頭を勢い良く殴られるシーンは、かなり強烈!「あれは、水飴でできていたので、痛くはなかったけど、怖かったです。来る来る、と思いながらも、目を閉じれない。びびれないので、そこは難しかったですね」と笑顔を見せた。

入江監督の演出については「現場の入江さんからは、役の大きい小さいに関係なく、差別なくやっているという印象を受けました。エキストラの方にもちゃんと芝居をつけに行くんです。そういうところが尊敬できると思いました」と語る。

2014年もあとわずか。そこで、今年1年を振り返ってもらった。野村は「仕事したなあ、速かったなあという感じです」とうなる。「時の速さを感じてしまいますね。俳優としての充実感はかなりあったけど、今年は童貞の役とか、冴えない役が多かった気がします(苦笑)。今度は、ちょっと格好良い役もやりたいですね。やったことのない、モテる役とかも良いですね(笑)」。

本作で殻を破った野村周平。彼が演じた、とことんロックな男・日々沼拓郎は、格好悪いところが最高に格好良い。彼のバンド、ザ・ロックンロールブラザーズや、宇田川咲たちのパワフルなライブは、見る者のハートの着火剤となり、忘れかけていた何か熱いものを呼び起こす。その熱気は、劇場で体感してほしい。【取材・文/山崎伸子】

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