細田守監督の新作アニメ『バケモノの子』、来年7月11日の公開を発表。菅原文太への誓いを語る

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細田守監督の新作アニメ『バケモノの子』、来年7月11日の公開を発表。菅原文太への誓いを語る

『おおかみこどもの雨と雪』(12)の細田守監督の新作『バケモノの子』が15年7月11日(土)に公開されることが明らかになった。12月11日に都内で記者発表が行われ、細田監督が意気込みを語った。

『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ』(09)、『おおかみこどもの雨と雪』(12)を手掛け、日本のみならず世界から注目されるアニメーション界の旗手となった細田監督。最新作では、細田監督自身が原作・脚本も手掛ける。「都市空間の中での冒険を描きたい」との思いから、舞台は渋谷。少年がバケモノの世界に迷い込んだことから始まる冒険活劇だ。

「親と離れ離れになった少年が、バケモノに弟子入りをして成長していく話。修行成長アクション映画です」と細田監督。これまでは女性ヒロインを多く描いてきた細田監督だが、「少年が修行を通して成長していく物語は、王道のようでありながら、振り返ってみると今はあまりない。王道でありながら新鮮なもの」とアピール。そこには、自身が2歳児の父親であることも影響しているようで「子どもはたくさんの人から影響を受け、たくさんの人に育てられていくんじゃないかという気がしている」とコメント。「前回が母親と子どもの話だとすると、父と子の話になるのかなと思う」と話していた。

また、『おおかみこどもの雨と雪』では、11月28日に亡くなった菅原文太が声優として参加していたが、「アフレコの現場で、文太さんが『映画を作っても意味がないじゃないか』と言うんです」と当時を述懐。アフレコ前に2、3時間も映画を作る意義について話し込むこともあったそうで、「その話をすることによって、『僕らはどうして映画を作るのか』『みんなが必要とする映画とはどういうものなのか』と突きつけてくれた」としみじみ。「そういう話をするのは、いかに文太さんが映画というものを真摯に考えていたかということ。それにどう応えるかが、文太さんから託された永遠の課題」と力を込めるなど、菅原文太の言葉を胸に最新作に挑んでいた。

会見には、奥田誠治(日本テレビ放送網事業局ゼネラル・プロデューサー)、門屋大輔(日本テレビ放送網事業局映画事業部長)、齋藤優一郎(スタジオ地図・プロデューサー)も登壇した。【取材・文/成田おり枝】

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