『ST』の三宅弘城だけが知る、藤原竜也と岡田将生の意外な素顔とは?
「ST」とは、警視庁に設置された、科学特捜班、Scientific Taskforceのこと。藤原竜也×岡田将生共演で話題となった人気ドラマの映画化『映画ST赤と白の捜査ファイル』(1月10日公開)で、STのメンバーを演じた三宅弘城にインタビュー!彼が演じたのは、僧と警察官という二足のわらじを履き、薬物や毒物に精通する優れた科学者でもある山吹才蔵役。エネルギッシュな共演者たちとの撮影現場について話を聞いた。
STのリーダーで法医学のスペシャリスト・赤城左門(藤原竜也)、エリート警部・百合根友久キャップ(岡田将生)、プロファイリングのエキスパート・青山翔(志田未来)、絶対音感と超人的な聴覚をもつ結城翠(芦名星)、科学の専門家で優れた臭覚の持ち主・黒崎勇治(窪田正孝)、そして山吹才蔵と、STの個性豊かな分析官たちが、難事件に挑む。
原作は今野敏の警察小説で、スペシャルドラマ、連続ドラマを経て、本作で待望の映画化となった。三宅は「スペシャルドラマの撮影を始めた当初は、連ドラになること自体も思ってなくて。連ドラだけでもうれしかったのですが、映画化されるなんて!まるで予選を突破して、甲子園に行けたような感じです」と感激しきりの様子。
山吹才蔵役の役作りについては、本物の僧侶から指導を受けた。「お経を覚えることは必須だったので、実際に京都のお坊さんに来ていただき、いろいろと教えもらいました。また、袈裟をつけると、お坊さんのような気持ちになれるので、外側から固めていったところもあります。口調なども僧侶らしくということを意識しました」。
藤原竜也とは、舞台での共演が多く、勝手知ったる仲のようだ。「何回もお酒を飲んだりして、色んな竜也君を知っていますが(笑)、今回改めて真面目でしっかりしてるなあと感心しました。岡田(将生)さんは、若いのに安心感があります。容姿も美しいし。でも意外と良い意味で抜けているところもあって。コーヒーをこぼしちゃったりしてあたふたしてる姿もキュートでほっとさせてくれるんです」。
山吹としかほとんど会話をしない黒崎勇治との凸凹コンビも楽しい。「僕が黒崎から耳打ちされたことを通訳するってことですが、窪田さんはちゃんとセリフを覚えてきてくれるんです。そういうところも、一緒にやってくれているなという感じはありました」。STのチームは全員仲が良く、現場でも和気あいあいとした雰囲気だったようで「時間が濃かったので、撮影現場は日常になっていました。だから、山吹にならなきゃということよりも、山吹と僕が同化していく感じでした。まあ、あそこまで僕は落ち着いてはないですが」と笑う。
三宅は、「ナイロン100℃」に所属し、バンド「グループ魂」では石鹸名義でドラムを担当、NHK Eテレの幼児向け人気番組「みいつけた!」では、体操のお兄さん、みやけマンとして人気を博す。まさに八面六臂の活躍ぶりだが、俳優として、これだけは曲げたくないというポリシーについて聞くと「嘘をつかないってことです」と言う。
「自分に対しても、役に対してもそうありたいなと。もちろん、演出的に無理をしなければいけないことももありますが、納得がいかなかったら話しますし、自分なりに理由をつけて演出に沿わせようとしたりします。映画も舞台も、虚構のものだからこそ、嘘をつきたくないってところがあります。いつも真剣にそこにいたいんです」。そのスタンスは実に素敵だ。
最後に、映画の見どころについて聞いた。「STの変わり者たちが、キャップ(岡田将生)との出会いで少しずつ変わっていくというところですね。あとはまあ、うそーん!?っていうところや、何となく受け入れられちゃう漫画的なところでしょうか。あっと驚く衝撃の事実も明かされますし、いろんな拾いどころがあると思うので、楽しんでいただきたいです」。
事件の謎解きはもちろん、強烈な個性のぶつかり合いやチームワークの面白さがたっぷりと堪能できる『映画ST赤と白の捜査ファイル』。山吹と黒崎の超クールな格闘シーンもお見逃しなく!【取材・文/山崎伸子】