世界を変えた“ゴースト○○”がいた!

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世界を変えた“ゴースト○○”がいた!

60年代にアメリカで一大ブームとなった絵画“BIG EYES”シリーズをテーマに描く、奇才ティム・バートン監督の人間ドラマ『ビッグ・アイズ』(1月23日公開)。絵の作者である夫婦にまつわるエピソードをつづった本作が話題となっているのは、2014年に日本でも話題となった“ゴースト○○”だったからだ。

小説やエッセイ本といった書籍において、表だって報じられている作者とは別に存在する“ゴーストライター”の存在は一般的によく知られているが、“BIG EYES”シリーズもまさに同様。1960年代の初めには、夫ウォルター・キーン名義で一躍脚光を浴びた同シリーズだが、その真相は、妻のマーガレット・キーンがいわゆる“ゴーストペインター”として作品を手掛けていたのだ。

本来なら“ゴースト○○”がいてもその多くは表面化しないものだが、ウォルターに絵を取られてしまうことを恐れた彼女が離婚を経て1970年に公表したことから、彼女の存在が明らかに。その後、反撃に出た夫ウォルターを相手に法廷へともつれ込んだ“アートバトル”が、当時いかにセンセーショナルだったかは想像に難くないが、裁判官の目の前で実際に“BIG EYES”を描き、勝訴を勝ち取ったという前代未聞の経緯には驚かされる。

現在はマーガレットが“真の作者”として知られているが、そこに至るまでの道のりが決して平坦なものではなかったという事は、映画を見れば分かるだろう。ティム・バートン監督の“BIG EYES”シリーズに対する愛はもちろん、作品を生み出す者の苦悩や作品に対する思いといった感情は同じクリエイターだからこそ表現できたのではないだろうか。その奇想天外な“バートン・ワールド”にハマっている人にこそ、注目してもらいたい一本だ。【トライワークス】

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