今旬のオスカー候補作、フェイクベイビーに話題沸騰!
2月22日(現地時間)に行われる第87回アカデミー賞授賞式で、作品賞にノミネートされた8本のうち、今最もホットな話題を提供しているのがクリント・イーストウッド監督作『アメリカン・スナイパー』(2月21日公開)だ。
その話題とは、同作は当初、ゴールデングローブ賞で総スカンを食らっていたが、作品賞及び、ブラッドリー・クーパーが主演男優賞にノミネートされるなど6部門でノミネートされたこと。さらに、「狙撃手はヒーローなのか」といった政治的な視点によるものだったが、今やブラッドリーが抱っこしていた赤ちゃんが明らかに人形だとわかることが、批評家や映画ファンを騒がせ、ツイッターを炎上させている。
hitfix.comのレビューで、「狙撃手のクリス(ブラッドリー・クーパー)と妻のタヤ(シエナ・ミラー)に息子が生まれ、家族か仕事かを真剣に話し合ってるシーンは、まさにこの映画の1つの見どころであり、とてもシリアスなシーンになるはずだった。彼らの演技も素晴らしかったが、彼らが抱きしめる赤ちゃんは明らかに人形で、それが気になってそのシーンに集中できなかった」というコメントが寄せられた。
英版サンデー・タイムズ紙に「あんなひどい人形の赤ちゃんを使った映画を見たことがない」というコメントが寄せられると、鑑賞した観客からも、「ブラッドリーは、人形を抱っこしても笑わないで真剣に演技をしていた。まさにオスカーに匹敵する演技だった」「人形の赤ちゃんなんて『トレイン・スポッティング』以来だわ」といったツイートが次々に寄せられている。
少なくとも人形を使ったシーンが2か所あったが、それについて脚本家が人形を使わざるを得なくなった過程を説明している。「同作が撮影されたカリフォルニアでは、赤ちゃんを撮影する場合、労働、医師、親からの許可などかなり厳密な許可を得る必要があります。さらに1日に20分しか働けません。もちろん当初は本当の赤ちゃんが登場するはずでした。でも1人目は熱を出してしまったのでやめました。2人目の赤ちゃんは現場に来なかったんです。それでイーストウッド監督が、人形を使うしかないと判断しました」とハリウッド・レポーター誌に語っている。
同作は、12月25日に限定公開され、オスカーノミネーション発表後の17日から3500館で拡大公開されるや否や新記録を打ち立てた。オスカー候補作8本のうち、唯一大手スタジオが製作した作品で、唯一1億ドル(約117億円)を突破した作品となっており、授賞式の視聴率の伸びも期待されている。【NY在住/JUNKO】