アンジェリーナ・ジョリーがイラクの惨状を新聞に寄稿
国連親善大使としてイラクを訪れ、難民たちと話をしてきたばかりのアンジェリーナ・ジョリーは現地の惨状に愕然としたそうだ。ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した記事の中で、「2007年から5回イラクを訪問しているが今回のように酷い状況は見たことがない」と書いている。
1月28日に掲載されたその記事の中で、アンジェリーナは「私は何年も前から難民キャンプを訪問し、テントに座って話を聞いてきました。全力で彼らを支えようと努力し、私たちがついているんだと伝え、助言することもありました。でも、今回ばかりは言葉を失いました」
「娘をイスラム国(IS)に連れ去られたという母親が、涙をぽろぽろこぼしながら、自分も娘と一緒に連れて行ってほしかったと言っている時、いったい何と言えばいいのでしょう?たとえ拷問されてもレイプされても、娘と一緒にいられるほうがましだと彼女は言いました」
「自分と同じぐらいの年齢の女性が、目の前で家族が全員殺され、今は1人でテントで暮らしていて食べ物がほとんどないと言っている時、何と言えばいいのでしょう?」と生々しい筆致で綴っている。
「こんなに一人一人の人間が悲惨な状態に晒されているというリアリティは、ほかに類がありません。苦しみと死、飢えてギラギラした目、トラウマを抱えた子どもたちが溢れているのです」と現地の様子を伝えた。
また、「中東地域の外に位置する国々は、拷問やレイプの被害にあった最も弱い難民たちを保護し、安住できる場所を与えるべきです。国内の新聞や機関で自分たちの価値観を主張しているだけでは不十分です」と書いている。【UK在住/ブレイディみかこ】
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