松ケン&大野&SABU監督がベルリン映画祭に登場

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松ケン&大野&SABU監督がベルリン映画祭に登場

全編沖縄ロケで撮影された映画『天の茶助』が、2月13日に第65回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で上映された。上映に先立ち、主演の松山ケンイチ、大野いと、SABU監督が記者会見とレッドカーペットに登壇した。

SABU監督が自身の書き下ろし小説を映画化した『天の茶助』は、地上に生きる人たちの人生や運命のシナリオを書き続ける天界の脚本家たちにお茶汲み係として仕える茶助(松山)を主人公にした物語。

茶助は、ある脚本家が担当する女性・ユリ(大野)に好意を抱く。ある日、そのユリの脚本に“交通事故で死ぬ”という運命が記されたことを知った茶助は、ユリを助けたい一心で彼女のいる沖縄へと降り立つ。

海外でも高い評価を受けるSABU監督作品ということもあり、世界各国の記者が詰めかけた。松山、大野とともにSABU監督がレッドカーペット上に姿を現すと、拍手と歓声とともに、その詰めかけた世界中の報道陣からフラッシュの嵐が。松山は黒のタキシード姿、大野はオリエンタルな白のロングドレスに身を包み、各国マスコミ陣からの質問や観客からのサインのリクエストなどに、終始にこやかに応えた。

記者会見で松山はドイツの印象について、「ドイツで出会った皆さんは“開いている”という印象。おかげで僕も開放感を覚えました。今日、ランチでミート(肉料理)を頼んだのですが、チョコレートがかかっていて…すごく斬新でしたね」と笑顔を交えて語った。

また、映画について「僕は(SABU)監督と組むのは2回目なんですけど、監督は役者の気持ちを考えて撮ってくれるので全くストレスを感じませんでした。茶助は天使だけでなく、人間だったころのさまざまなキャラクターを持っている役なので、演じていて楽しめました」と振り返った。

一方、大野は「私は、言葉を発せない役だったので台詞はほとんどありませんでした。しゃべれないのは本当にストレスのたまることだろうし、大変なことだと思います。声が出ないだけで、何もかもが不自由になるかもしれないと思います。最後、叫ぶシーンがあるんですが、いつも気持ちを受け止めるユリが、初めて好きになった人を『自分が助けたい』と気持ちが高まって、必死にもがいて声を出したのかなと思います」とコメント。

沖縄をロケ地としたことについて、SABU監督は「3年前から沖縄に住んでいます。小説は沖縄に住む前にすでに書き終えていました。沖縄にはきれいなサンゴ礁や海が有名で、そういう映画はこれまでも多く描かれていましたが、(本作に登場する)裏路地など、今まで描かれていないロケーションを取り入れました。映画に出演いただいた沖縄の伝統芸能も、天界という設定に通じるものがあると思い、沖縄を舞台にしました」と思いを語った。

第65回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門には全19作品がノミネートされており、『天の茶助』の受賞に期待が掛かる。また、同作は6月27日(土)より全国公開。

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