親友の蒼井優と鈴木杏。「卓球場で」 衝撃の出会い!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
親友の蒼井優と鈴木杏。「卓球場で」 衝撃の出会い!

インタビュー

親友の蒼井優と鈴木杏。「卓球場で」 衝撃の出会い!

くだらないことに一生懸命になって、くだらないことに大笑い。そんな思春期特有の眩しさを描いた『花とアリス』(04)。史上最強の転校生・アリスと、史上最強の引きこもり・花を主人公とした青春ストーリーだが、この度、彼女たちの出会いが長編アニメーション『花とアリス殺人事件』(2月20日)で明らかになる。

アリス役の蒼井優、花役の鈴木杏が声優として参加して11年ぶりに同役を演じたが、どうやらこの二人。役柄に並々ならぬシンパシーを感じ、劇中同様に大親友だというのだ。蒼井と鈴木に、出会いからお互いへの思いまでを明かしてもらった。

前作に出演したのは、蒼井が19歳、鈴木が17歳のときのこと。鈴木は、花のことを「似ているというか、花と自分ってそんなに違わなくて自分のままのような気がする。彼女が持っている暗さはすごく私と似ているし、空回りする感じも、猪突猛進なところもそっくりでしょう?」と分析。

すると、隣の蒼井も「そうそう!杏は当時から元気でハツラツという役が多かったけれど、実は暗いところがあって。真面目すぎて、その真面目さゆえに自分でがんじがらめになってしまうところがある。それが鈴木杏の魅力でもあるんだけれどね」と親友ならではの視点でコメントする。

蒼井も「私も、あの当時の私がそのままアリスそのものだった」と述懐。「私は福岡でのびのびと育った子供で、その感覚のまま『花とアリス』の現場に入って。芝居とかも全くわからなくて、勢いだけでやっていた。野生児ですね!私はその頃、このお仕事を長く続けていこうとも思っていなかったので、杏の責任の背負い方とかプロという姿勢にびっくりしたんです」。

すると鈴木も「花がアリスと会ってびっくりしたように、私も優ちゃんに会ってびっくりした」とにっこり。「私にとって優ちゃんは、『行くよ!』って手を引っ張って、ずいずい先に進んでくれるという感じがいまだにあって。当時の私は真面目に考えすぎて、なるべく人に迷惑をかけないように現場にいようとしていたんだけれど、それをいい感じになぎ倒していくのが優ちゃんだった。その強さに、『すごい人がいるな!』と思った」と楽しそうに話すと、蒼井も大爆笑だ。

蒼井によると、「杏とは、学校で出会った感覚に近いものがあって。花とアリスの関係にすぐに戻る」とのこと。鈴木も「多感な10代という時期に出会って。つきっきり一緒にいるわけではないけれど、いろいろなことを乗り越えていく様を一番間近で見ているような気がする」と蒼井への信頼感を吐露。

蒼井は「お互いのダサいところを知っている。それは強いかもしれないね」と、今でも連絡を取り合い、半年に一度は会いたくなり、「一緒にいると楽」という存在。お互いがいない人生は考えられないというのだ。

蒼井と鈴木の出会いは、『花とアリス』撮影の前に遡る。なんと、場所は卓球場だそう。「共通の友達がいて、卓球場で合流したんだよね」と蒼井。さらに「杏はそのとき、サングラスをしていた。しかもレンズがオレンジ」と暴露。

鈴木が「しかも、レンズの片目が外れてたんだよね。なんであんな格好していたんだろうね、私」と首をかしげると、蒼井が「そうそう。片方が外れているんだけれど、でも『それでいいや』とかけている感じがすっごい東京出身の人って感じがした!ファッショナボー!って。攻めてたよね」とうれしそうに話す。鈴木が「変な汗でてきた。もうその話、やめてもらってもいいですか」とこぼすと、二人の親友トークにインタビュー場も大爆笑だ。

甘え下手だという鈴木は、「正反対の人と友達になることが多い」そう。「違うジャンルの知識があったり、先へ先へと突っ走っている友達が多くて、そういう人を見て『私も頑張ろう』と思ったりする。だから、逆に優ちゃんみたいにふうっと息をつける相手って少なくて、貴重(笑)。私たちは刺激し合うっていうのとも違うんです」。

「そうだね。まったりし合う感じ」と蒼井も同調。「あとは痛みを分かち合う感じだね。相手の痛みを自分の痛みのように感じられる友達って、本当に少ない。杏のことで号泣したりするし、杏が傷つくのが許せない」と鈴木への思いを打ち明けると、「そう!私はそんなに怒ってないのに、私以上に怒ったりするよね。でもそういう人が世界に一人でもいてくれるというのは、やっぱり心強い」と鈴木。絆の深さは相当なもののようだ。

『花とアリス』がいかに二人にとって大切な作品かがうかがいしれたが、蒼井は「杏にも話していたんだけれど、この時期は私が街を歩いていても『蒼井優だ』って指さされなかった最後の時期で」とターニングポイントであることを告白。「『花とアリス』以降、指をさされるようになってすごく驚いて。だからものすごく大事な、青春の最後の1ページのような気がしていて。そのときに杏のようななんでも話せる友達と出会えて、たくさんの感謝の思いがある。また、『花とアリス』を今でも大事に思ってくださっている方もいて。そういう方達に対しても、すごくあたたかな気持ちになるんです」。

彼女たちにとって「宝物」のような『花とアリス』。その前日譚を描く『花とアリス殺人事件』では、いかにも花とアリスらしい“殺人事件”の顛末が描かれる。蒼井と鈴木が一緒にいると少女のような笑顔を弾けさせるように、眩しい“あの頃”を思い出して笑顔になれるような物語だ。是非とも劇場で楽しんでみては。【取材・文/成田おり枝】

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