50歳の美しきボンドガールがハリウッドを変える?
『007』シリーズ最新作『007 スペクター』(11月公開)で史上最年長のボンドガールに抜擢されたモニカ・ベルッチ(50)は、ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグ(46)よりも年上だ。これは中年の男優を主人公にした映画ではきわめて珍しい。
例えば、新作映画『フォーカス』(5月1日公開)で、46歳のウィル・スミスの相手役を演じているのは24歳のマーゴット・ロビーだし、『Serena(原題)』では40歳のブラッドリー・クーパーの相手役を24歳のジェニファー・ローレンスが演じている。ハリウッドでは中年の俳優と若い女優の組み合わせが通常になっている。
だから、モニカ・ベルッチはサム・メンデス監督から最初に電話をもらった時はジュディ・デンチが演じていたM役のオファーかと思ったらしい。「最初は、『50歳のボンドガールなんてあり得ない』と思ったわ。だけどサムが、『これは史上初の、ボンドと大人の女性との物語になる』と言うのでスリルを感じたの」
「そしてサムに言ったのよ、『あなたはこのキャスティングで女性たちのヒーローになるわ』ってね」と英紙サンデー・タイムズに語っている。
「アメリカでは女優は40歳を過ぎるとダメ。この業界は若い女性を求めている」というモニカは、「セクシーさは知性や想像力の中にある。身体的な年齢ではないの。私はボンドガールではなく、ボンドウーマンと呼ばれたい」と話している。
ローマで行われた本作のフォトコールでは赤いドレスを着て、ダニエル・クレイグの傍らに立っていたモニカの成熟した美しさが大きな話題を呼んだ。中年男優の相手役は少なくとも10歳は年下でなければ、というハリウッドの常識を50歳のボンドウーマンが変えるかもしれない。【UK在住/ブレイディみかこ】
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