戸田奈津子、ロビン・ウィリアムズとの感動秘話を告白
2014年8月に逝去した名優ロビン・ウィリアムズの実写映画の遺作となった、人気シリーズ第3弾『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』(3月20日公開)。ロビンを追悼して本作のトークショーイベント付きの特別試写会が、3月2日に新宿明治安田生命ホールで開催。ロビンと親交が深かった字幕翻訳者・戸田奈津子が、在りし日のロビンとのエピソードを語った。戸田はロビンについて「彼は、生まれもってのエンターテイナーの権化みたいな人だった」と、その才能と人柄を称えた。
しんみりとしたトークになると思いきや、MCを務めた映画パーソナリティの襟川クロと共に、ロビンとの愉快なやりとりについても紹介した戸田。「ロビンの毛深さって知ってる?すごいのよ。蚊が入ってくると、逃げられない。たたいて殺すのが簡単だと言ってたわ」と笑顔で話すと、会場は大爆笑。
来日時には、共にロビンの家族と旅行をしたりと、プライベートでも仲が良かったという戸田。「普段は物静かな方だけど、知らない人が3人いると、笑わせようとするスイッチが入る。ある意味、気の毒。でも、それは天才コメディアンの性ね。彼は『僕は人の笑いでできている。人の笑いが栄養だ』と言っていました。人の笑いを命の糧にしていたんだと思います」。
また、戸田はロビンの暗部にもふれた。「彼はアルコールや薬とか、すごい経歴があるの。だから、旅行中、ロビンは絶対にアルコールには手をつけなかったわ。でも、今回は、外れちゃった。とても起伏のある内面をもっていた。あれだけ朗らかだったけど、内面に地獄があったんだろうなと。彼は天才だから、常人にはわからない。コッポラ監督もそう書いてましたよ」。
戸田は、ロビンのプライベートな追悼式にも呼ばれたそうで、そこではウーピー・ゴールドバーグら錚々たる顔ぶれの人たち参加し、ロビンの死を悼んでいたという。その会では3人の子供たちによるスピーチに全員が涙したというエピソードも明かした。戸田は「彼がいかに大勢に愛されていたかってことがわかりました」と柔和な表情でしみじみと語った。
『ナイト ミュージアム』シリーズで、愛すべきキャラクター「テディ・ルーズベルト大統領」役を演じ続けたロビン。逝去の一報が伝えられた際には、オバマ大統領、スピルバーグ監督など著名人が続々と追悼のメッセージを発表。Googleが発表した「2014年に全世界で最も検索されたワード」の第1位にもなるなど、世界中の映画ファンに悼まれることになった。【取材・文/山崎伸子】