福士蒼汰、有村架純は「笑顔がかわいい」

福士蒼汰と有村架純という、今最もフレッシュな二人。咲坂伊緒の人気少女コミックを映画化した『ストロボ・エッジ』(3月14日公開)では、彼らがピュアな恋物語を体現。胸がドキドキと高鳴るようなラブストーリーを完成させた。4度目の共演となる二人に、お互いへの印象。そして、役者という仕事の醍醐味について語り合ってもらった。

恋に奥手な女子高生・木下仁菜子(有村)が、学園イチの人気男子・一ノ瀬蓮(福士)に告白し、フラれることから始まる学園ラブストーリー。福士自身が原作の大ファンで、演じた蓮役は憧れの存在だったという。

有村は「福士くんと蓮くんとは、人にないものを持っている感じが似ている。雰囲気も立ち居振る舞いも常に自然体で、感情の起伏がないから、会うといつもすごく安心するんです」と、福士と蓮を重ねながら、信頼感を吐露。

有村が演じたのは、報われない恋に一途な仁菜子役。福士は「有村さんと仁菜子は結構、似ていると思います」と告白。「笑顔がかわいいなと思います。あと、目が似ているんです。目が語る表情というか、真っ直ぐな視線が、蓮としてはビシビシと伝わってきていました！」。

すっかり気心も知れた様子の二人。有村は「最近思ったんですが、意外と“緊張しい”なのかなと思って」と福士についての新たな発見を明かし、「いつも堂々としているし、何をしても受け止めてくれるような感じなんですが、意外と緊張していたりするのかなって。何だか、そういう面があってうれしい」と笑顔がこぼれる。

福士は「あはは！」と照れ笑い。一方、福士は有村について「昔から変わらず、本当に“ピュア”という感じがします」とコメント。「今回はそれに加えて、熱さみたいなものを感じていました。作品に対しても、役柄に対しても、全体をよくしようという気持ちをすごく感じました」と、有村の役者としての心構えをひしひしと感じたそう。

映画・ドラマにと大活躍で、役者としても進化し続けているが、有村は「廣木(隆一)監督が、『お芝居は引き算だ』とおっしゃっていて。その言葉が今、お芝居をする上でも大事にしているもの。お芝居の根本について、改めて気づかされたんです」と、メガホンをとった廣木監督に感謝しきり。

福士が「“ストレートティーを持ってすれ違う”という、映像にしたら1秒くらいのシーンを10回くらい撮ったんです」というように、廣木監督がテイクを重ねることを要求したことも多かったそう。「『はい、もう一回』と何度も言われて。今思うと、そうやって、蓮という役を何度も繰り返すことに意味があったんだと思います。蓮の動き、歩き方というところから、僕に役を染み込ませてくださったんです」。明確な言葉にはしない、「役は自分で掴み取れ」という演出に食らいつき、仁菜子、蓮というキャラクターを見事に演じきった。

「忙しくて大変とは感じない。単純に今、楽しいんです」と声をそろえるなど、作品を重ねるごとに、役者という仕事の醍醐味を実感している様子だ。福士は「自分が高校のときにやってみたい、でもそんなことできるわけがないと思っていた蓮というキャラクターに、役者だからこそなることができました」とファンだった世界に飛び込めたことに感無量の面持ち。「いろいろな人生を歩めるということは、役者の大きな楽しみだと思います。演じるときはその世界で生きることができますし、作品が完成すればそれを客観的に見ることもできると思います」。

有村は「相手の役者さんと掛け合いをしていく中で、心を動かされたときは演じていてとても気持ちがよくて。またこの感覚を味わいたい、お芝居って楽しいなと思うんです。人の言葉で涙が出たり、笑ったり、怒ったり。ウソの世界だとわかっているのに、不思議ですよね。すごく面白い」とふわりと微笑む。

充実感を胸に役者道を邁進中だが、次に共演するとしたら「コメディをやってみたい！」という二人。福士が「トンチンカンな二人で」というと、有村も「二人とも鈍くさかったりね。刑事モノとか面白そう！」とキラキラと瞳を輝かす。

若さの中にも、しっかりと芯を感じられる二人だ。最後に理想とする男性・女性像を聞いてみた。福士は「精神的にも肉体的にも強い男になりたいです。いつか奥さんになる人や、子どもができたときに、きちんと守れるような人間になりたい。その強さが優しさにもつながっていくと思うんです」とじっくりと語る。

有村は「内面も外見も健康的で、柔らかい女性が理想です。もちろんかっこいい女性も素敵だと思いますが、親近感を持てるような女性が、自分としても話しかけやすいですし。そういう身近な存在であれたらいいなと思います」と愛らしい笑顔。真っ直ぐでさわやか。本作そのもののような二人だった。【取材・文/成田おり枝】