花澤香菜「受け身に入っていた」と自身の活動を反省!?
いま最も多忙な声優のひとり、花澤香菜。アニメ作品を主戦場にしながらも、2012年からはアーティスト・花澤香菜として音楽活動も精力的に行うなど、活躍の場を広げている。
そんな彼女が映画『君がいなくちゃだめなんだ』(3月28日公開)で実写作品初主演!公開を直前に控えた花澤にインタビューを敢行し、現在の心境を語ってもらった。
今回の話を初めて聞いた時、「とにかく驚くしかなかった」という花澤。「マネージャーに話があると言われて、カフェに連れて行かれたんです。何事かと思ったら、『実写映画をやってもらいます』と。そりゃあ『えーーー!!』ってなりましたよ(笑)。すぐに『はい、わかりました』という心境にはなれなくて、動揺が大きかったことを覚えています」。
そんな彼女の気持ちを変えたのが、声優としてデビューする前の思い出だ。「よくよく考えてみると、私は元々子役をやっていたので、その頃の自分だったら実写映画の主演なんてすごく喜んでいたと思うし、すぐに『やります!』って返答していたはずなんです。そのことを思い出して、『いまはなんて受け身に入っているんだ!』『こんなんじゃだめだ!』と反省しまして(笑)。『頑張ってやらせていただきます』という風に気持ちを改めたんです」。
「クランクインまで不安はぬぐえなかった」という花澤が今回演じるのは、周囲から期待される絵本作家という役どころ。スランプに陥っているが、気ままな性格が邪魔してなかなか創作活動に身が入らない…。
「私が演じる楓アンというキャラクターはちょっと楽観的で、普段の私の性格をトレースしているんです。嫌なことがあっても、寝たらすぐに忘れちゃうところとか(笑)。そういう意味では演じやすかったんですけど、物語の終盤は結構シリアスな方向に進んでいくので、いろんな表情を見せなきゃいけないな…と感じて、責任重大だと思いました」。
花澤は「とにかくスケジュールがタイトで、5日間という期間の中で朝から晩までずっと撮影していました」と現場の様子を振り返る。
「涙を流すシーンもあったんですが、あまり時間をかけさせてもらえなかった(笑)。自然に出てきた涙というよりは、踏ん張って出した涙、という感じです(笑)」と苦笑い。戸惑いながらも全編を演じ切ったようだ。
花澤によると「この映画を一言で表すのは難しいんですけど、『君がいなくちゃだめなんだ』というタイトルに尽きると思います」とのこと。
そして「いろんな登場人物に“君”が当てはまるようになっていて、見方によっていろんな解釈ができるようになっています。時間軸が一方向じゃなかったり、どんでん返しがあったりして、物語が本当に良くできている。見てのお楽しみですが、結末にもビックリさせられるはずです!」と、何とも意味深な言葉でインタビューを締めくくった。【取材・文/トライワークス】