指原莉乃、HKT48の飛躍の鍵は「下品さ」
子どもから大人まで幅広い世代に人気の映画『クレヨンしんちゃん』シリーズ第23作目となる『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語〜サボテン大襲撃〜』(4月18日公開)のゲスト声優に、国民的アイドルグループHKT48の指原莉乃が登場。いつも不機嫌な14歳の女の子の声を演じた彼女に、自身の思春期を振り返ってもらった。
春日部からメキシコに引越しした野原一家が、動くサボテン相手に大奮闘する本作。指原が演じるのは、メキシコでしんちゃんが出会うキャラクターで、スマホを大事にするあまり、しんちゃんから“スマホちゃん”とあだ名をつけられてしまう女の子だ。「本当に下手で、とっても大変だった」とアフレコには相当、苦労した様子の指原。
劇中では、苦労の甲斐あってナチュラルに14歳の女の子を演じている。「私もスマホがないと生きていけない。スマホがなかったら取り乱しちゃうんです!性格が内向的だったり、嫌いなわけじゃないのに人に反抗してしまうところや、社交的じゃないところも似ているなと思います」とスマホちゃんとは共通する部分も多かったとか。
自身の14歳の頃を振り返ってもらうと、「誰ともしゃべれなかったですね。私は根本が暗くて、人に怒るという感情もないくらい暗かった」と楽しそうに笑う。15歳でAKB48オーディションに合格。アイドルとなったが、では誰ともしゃべれなかった少女がどのようにアイドルへの一歩を踏み出したのだろう?
「アイドルになりたいという気持ちはずっとあったんです。ハロー!プロジェクトが好きで、唯一、自分が上がる感情がアイドルに関してのことだったので。アイドルになりたいということは、周りの誰にも言っていなかったし、親にも言っていなかったです」。
その後、大分から上京することとなるが、「東京に来て、人がガラっと変わったんです」と告白。「アイドルという仕事にもともと憧れを抱いていたので、『アイドルになれた!』という感情から、気持ちが上がってしまって。引っ越しをして、初めてちゃんと友達と言えるようなメンバーとも出会えて、それをきっかけに、かなり性格も変わったと思います」。今やそのトーク力を認められバラエティ番組でも大活躍だが、その変化は夢を叶えた自信から生まれたものだったよう。
逆境も力、そして笑いに変え、人々の心にスルリと入り込んでしまうような魅力は、本シリーズの主人公・しんちゃんと重なるように思えるが、自分自身、しんちゃんと似ていると感じるところはあるだろうか。すると「シンプルにいうと下品なところ。私、すごく下品なんです」と爆弾発言。
「でもしんちゃんに似ていると思えば、それもポジティブに捉えられますね。あとは変に明るいところ。私、暗いんですが、妙に明るい部分も持ち合わせていて。明るいときのバージョンの指原なら、しんちゃんと近い感覚で話せるんじゃないかと思います」。
長年愛されている『クレヨンしんちゃん』シリーズ。指原の所属するHKT48も昨年末の紅白歌合戦に出場を果たすなど、ますます人気上昇中だ。今後も長く愛されるための秘策を聞いた。「アイドルで長く愛されるってすごく難しいんです。しんちゃんは国民的アイドルといっても過言ではないキャラクター。しんちゃんを見習って、多少の下品さが必要だと思います」。
再び「下品」というワードが飛び出したが、「ちゃんとしたアイドルはまゆゆ(渡辺麻友)やぱるる(島崎遥香)にお任せして、HKTはちょっと異質な存在でいたいですね。でも何人か正統派がいるのが理想。下品な部分は私がだいぶ持ち合わせているのでいいんですが、他のメンバーにもちょっと出してもらって。下品というか、人間味あふれるという言い方がきれいですね。人間味あふれる、汚い部分を隠さないアイドルを目指したいです」。
「毎日同じことをするのが苦手で、学校とかも苦手だった。何か新しいことが毎回あるのは、大変だけれどとてもいい刺激がある。アイドルの仕事はとても楽しいです」と充実の表情を見せる。驚くほどの爆発力をもち、目が離せないアイドルである指原莉乃。ぜひ本作で、彼女の新たなチャレンジを見届けてみては。【取材・文/成田おり枝】