水谷豊、“右京”コールに「メルシー」と笑顔

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水谷豊、“右京”コールに「メルシー」と笑顔

浅田次郎の同名小説を映画した『王妃の館』(4月25日公開)の完成披露試写会が4月16日に新宿バルト9で開催され、水谷豊、田中麗奈、吹石一恵、安達祐実、尾上寛之、中村倫也、山中崇史、野口かおる、石橋蓮司、石丸幹二、橋本一監督、原作者の浅田次郎が登壇。

「相棒」シリーズで右京役を演じている水谷が、アバンギャルドなファッションに身を包んだ天才作家・北白川右京役を演じる本作。会場に集まったファンから「右京さーん!」との掛け声が上がると、水谷は「メルシー」とうれしそうな笑顔を見せた。

水谷にとって浅田作品への参加は初めてのこと。水谷は「この映画で二つの夢が叶った」と告白。「ひとつには、チャップリンが好きで、いつかああいうことができたらと思い続けていた。もうひとつは、浅田次郎作品ということ」と喜びをかみしめた。

「浅田次郎作品というのは、本当にやりたい方が多くて。『やりたいなあ!』と思っていた『ラブ・レター』。気がついたら中井貴一さんがやっていた」と肩を落としながら話すと、会場も大爆笑。「とにかく気がつくと誰かがやっているんです。今回、夢が叶いました」と念願の浅田作品だったという。

浅田は「まさか映画になるとは。無理だと思っていた」と素直な胸の内を吐露。「舞台は全部パリなんですから。しかもその半分はルイ14世時代のパリに飛ぶんですから余計に無理」とその理由を明かし、「本当にできたんだと、魔法にかけられたようだった。今でも信じられません」と映画の完成に驚きを隠せなかった。

また、水谷が主演となったことについて聞かれると、「なぜか水谷さんとご縁がなかった」と首を傾げた浅田。「信じられないかもしれませんが、僕とひとつしか違わない。同じ世代の役者さんには親近感がある。昔からずっと見続けてきています」と水谷への思いを明かし、「今回は決定的なご縁」と満足気な表情を見せていた。

水谷は「ワクワクドキドキ、ビクビクという感じでした」と浅田との初対面時の心境を述懐。「話が弾んで、素晴らしい出会いをさせていただいた」とニッコリ。

「若い時にシャレをいうとみんなが笑ってくれたのに、今いうとオヤジギャグといわれてしまう」と浅田に悩みを話したそうで、「そうしたら浅田さんが、『ギャグも歳をとっているんですよ』とおっしゃったんです」と、楽しそうに同世代ならではの会話を思い返していた。【取材・文/成田おり枝】

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