TOHOシネマズ 新宿はすべてがゴジラ級!?
実物大のゴジラの頭をランドマークとした映画館、TOHOシネマズ 新宿が4月17日にオープンした。「ゴジラが新宿・歌舞伎町に出現!」と大いに話題になっている、こちらの映画館。いろいろな意味で“最強&ゴジラ級”なのだ。小林正樹支配人を直撃し、“最強”の理由を聞いた。
TOHOシネマズ 新宿は、「言ってみれば、なんでもありの映画館。いま現時点での我々の業界のなかでは、間違いなく日本一のスペックを備えた劇場だと思っています。ゴジラもいますからね。最強の映画館と言えるのではないでしょうか」と胸を張る小林支配人。
12スクリーン、2300席を有する同劇場。「いろいろなスペースをゆったりと作っています」というように、ロビーの広さ、天井の高さなどラグジュアリー感もたっぷり。上映設備としては、東京・山手線内の都心部に初めて登場する「IMAXデジタルシアター」の導入が話題だ。
「劇場を建てる段階から、IMAXを想定してつくられた正真正銘のIMAXです。従来のIMAXは、6.1チャンネルのフォーマットだったんですが、今回は独立した12個のスピーカーのある、12.1チャンネルに対応しています。12.1チャンネル対応の次世代サウンドシステムの導入は、日本初です。(ただし、対応作品はいまのところ未定)」。最高水準の映像、音響が楽しめると映画ファンから支持を集めるIMAXのなかでも、次世代に目を向けた最新型IMAXだ。
さらに、音響システムとして、客席の前方から後方まで均一に音を届ける「ヴィヴ・オーディオ」を全スクリーンに採用。巨大スクリーン「TCX」や、座席の最前列に配置され、リクライングしながら迫力の映像を楽しめる「フロントリクライニングシート」という新しい試みも(9番スクリーンのみ)。6月下旬には「MX4D」もお目見え予定というから、まさに「なんでもあり」の劇場だ。
都心にこれだけのスペックをそろえた劇場が誕生することもうれしいが、「映画の街・新宿」の復活という意味でも意義深い。「昨年末にミラノ座さんが閉館し、歌舞伎町に映画館が1館もないという状況になっていました。かつて歌舞伎町には、たくさんの劇場があったという時代もあって。今、新宿バルト9さんや新宿ピカデリーさんもがんばってらっしゃって、ライバルというよりは、我々が出店することで『新宿に行けば大概の映画が見られる』という受け皿になることができればと思っています」。
東宝、松竹、東映の邦画三社の劇場が新宿にそろった形となった。一丸となって新宿を盛り上げていく考えだが、もちろん差別化も図っていく。「ひとつには、新大久保から歩いて来られる距離になりますので、韓国映画にはきちんと力を入れていきたいと思っています」。
そしてもうひとつが、アニメへの注力だ。「秋葉原や池袋がアニメファンの方が集う街といわれていますが、新宿にもアニメファンの方は多い。今はバルト9さんがアニメの聖地という位置付けになっていますが、私どもも負けずに良質なアニメ作品、コアなアニメファンの方でも十分に楽しめる作品をそろえていきたいと思っています」。
アニメ作品の幕間には、同劇場でしか見られないショートアニメ『アニメガタリ』が上映される。アニメイト新宿との協力態勢も準備しているそうで、「アニメイトさんと我々の劇場を行き来できる取り組みをなるべく早い段階でまとめる予定です。映画を見てアニメイトさんに寄る、アニメイトさんに行って映画を見るなど、アニメイトさんのお力も借りながら、そういった流れをいち早くつくりたいですね」と意気込む。
「新宿東口を出て、ゴジラを見ながら真っ直ぐ来ていただければ私どもの劇場にたどり着きます。いま考えうる上映設備、劇場のつくり、この場所でできうる限りのことはつくりあげたつもりです。贅沢な映画鑑賞空間を味わっていただければ」とアピールしてくれた小林支配人。
新宿の街をさらに賑わせること間違いなしのTOHOシネマズ 新宿。夜19時には目が光り、鳴き声を上げるゴジラも必見だが、是非とも劇場内に足を運んで“最強”の映画体験を楽しんでみては。【取材・文/成田おり枝】
5/17までは、ホテル宿泊者と8Fカフェ利用者のみ入場可
5/18以降は未定