生田斗真、理不尽な社会に復讐する男を怪演
演技派として活躍する俳優・生田斗真。ドラマ「ウロボロス~この愛こそ、正義。」での好演が記憶に新しい生田だが、主演を務めた『予告犯』(6月6日公開)では狂気を帯びた演技でまたまた話題を呼びそうだ。
生田が演じたのは、謎のテロリスト集団“シンブンシ”のリーダー・ゲイツ。働いていた会社で派遣切りに遭い、理不尽な社会への怒りを抱えるゲイツは、日雇い労働の現場で出会った仲間たちと一緒に社会への壮絶な復讐を開始する。
新聞紙の頭巾を被ったTシャツ姿の“シンブンシ”は、法では裁けない犯罪者たちの罪をネット上で暴露。例えば、食中毒事件を起こした食品加工会社を放火したり、心ない暴言を吐きSNSを炎上させた大学生に屈辱的な暴行行為を働いたりと、次々と罪を犯したターゲットたちに過激な制裁を与えていくのだ。
この厳しい制裁内容を決めているゲイツは、先のことまで物事を予測し、警察を翻弄するなど、頭脳犯としての才能を発揮。被り物で表情はよく見えないが、犯行前の鋭い目つきや犯行予告をする時の低い声には不穏なオーラと怒りが漂い、見る者を思わずゾッとさせる。
そんなゲイツの狂気あふれる姿を見事に体現してみせた生田だが、じつは他の作品でもダークな役柄に挑戦している。伊坂幸太郎の小説を映画化した『グラスホッパー』(11月7日公開)に、恋人を殺した犯人への復讐を誓う元教師役で主演しているのだ。
影のある役柄が続く生田。これを機に、彼が復讐男に扮した作品を見比べてみるのも面白いかも。まずは、生田が怪演した“シンブンシ”男を堪能してほしい。【トライワークス】
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