隣室の“音”で岡田准一が妄想?! 映画『おと・な・り』の魅力

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隣室の“音”で岡田准一が妄想?! 映画『おと・な・り』の魅力

岡田准一と麻生久美子が、人生の転機に揺れる30歳の主人公を等身大で演じたラブ・ロマンス『おと・な・り』が5月16日(土)よりいよいよ公開。そこで主演の岡田准一と麻生久美子、メガホンを取った熊澤尚人監督に日常の“音”で紡がれた本作の魅力を語って貰った。

物語の舞台となるのはとあるアパート。隣室に暮らすカメラマンの聡(岡田准一)とフラワーショップで働く七緒(麻生久美子)は、壁越しに聞こえる互いの生活音で相手の“存在”を意識し、特別な感情を育んでゆく。

コーヒー豆を挽くミルの音。七緒が口ずさむはなうたのメロディ。そのどれもが心地よく響く。聡役の岡田准一は「“音”を聴いて感じる事で、相手をより身近に感じた」と振り返る。

「見えないだけに、ものすごく想像しました。聡しか映らないシーンの撮影でも、実際に隣室では七緒役の麻生さんが芝居をしてくれていました。麻生さんの芝居を感じながら演じていたので、会ってないのに会っているかのような気分になりましたね」

1度も顔を合わせたことのないという設定のため、ほとんど一緒に撮影するシーンがなかったふたりだが、現場ではすぐに打ち解けたという。その秘訣を麻生久美子が教えてくれた。

「『本名は“サイトウゲンノスケ”です』とか、岡田さんは必要のない嘘をつくんです(笑)。でも、そういう風に言われると、すごく興味が湧くじゃないですか。いろんなことを聞きたくなるし、一気に距離が近づきますよね。あと言葉選びのセンスもユーモアがあって面白いんです。クールなイメージは完全に覆りました」

本作では、恋の序章を描きつつ、人生の岐路に立たされた人たちの葛藤や成長を映す一面も持っている。「人が挫折を乗り越える姿が大好きなんです!」と話す麻生が、本作の魅力を語ってくれた。

「『おと・な・り』の登場人物たちって、一度立ち止まって自分なりの答えを見つけていくんですけど。その瞬間を目撃したときに、なんだかすごくいいものを見た気分になりました」と目を輝かせながら、嬉しそうに語る彼女は現在30歳。映画の七緒や聡と同世代だ。

「若い頃は、30歳になったら体力も落ちるし、今ほどいろんな事ができなくなるんじゃないかなと思っていたけど。実際なってみると、自分にとって本当に必要なのは何かが見えてきたりして、すごく楽に生きれるようになりました。だから今は年齢を重ねるのがむしろ楽しみなんです」と語る。

一方、これから30歳を迎える岡田准一は「30代になったら、20代で蓄積した経験をどんどん人に伝えていきたいです」とコメント。

ちなみに熊澤尚人監督は「僕もいったん立ち止まって考えたのが30ぐらい。やっぱり映画監督になりたくて、それまで勤めていた会社を辞めました(笑)」と明かし場を和ませた。そんな監督が本作で目指したのは“音”から想像する映画。

「映画を通して観客のみなさんにも、どんどん“想像”してもらいたいと思いながら作りました。だからエンディングも特別仕様になってます」と語った監督。“音”を感じる本作をぜひ最後まで楽しんで。【MovieWalker/大西愛】

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