“パーフェクト女優”ジュリアン・ムーアの魅力とは?
若年性アルツハイマー病と宣告された女性アリスとその家族の絆を描いた映画『アリスのままで』(6月27日公開)。この度、主人公アリスを演じたジュリアン・ムーアのコメントと、未公開映像付きの動画が解禁された。
映像は日本のファンに向けたジュリアン・ムーアのメッセージで始まり、アリスが海辺の別荘で海を眺めているシーンへと続いていく。浜辺に出たアリスが夫ジョン(アレック・ボールドウィン)と、幸せに満ちた抱擁を交わす場面も収められた、貴重な未公開映像となっている。
この映像を見てもらうだけでも、若年性アルツハイマー病という運命を背負ったアリスの葛藤や、彼女の生きる意志がヒシヒシと伝わってくるはず。それほど、ジュリアン・ムーアは魂を込めたリアリティある演技を見せているのだ。
ジュリアンはこのアリス役で、本年度アカデミー賞主演女優賞を受賞したほか、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞などの主要な映画賞で22冠もの主演女優賞を獲得した。
これまでに『めぐりあう時間たち』(02)でベルリン、『エデンより彼方に』(02)でヴェネチア、『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(14)でカンヌといった世界三大映画祭の女優賞を受賞しているジュリアン・ムーア。今回5度目のノミネートにして念願のオスカーを受賞したことで、三大映画祭とアカデミー賞を制覇した史上初の女優となった。
彼女はこれまで、コメディから文芸作品まで様々なジャンルに出演し、どんな役柄にも果敢に挑戦してきた。ジュリアンが最初に注目されたのは、アカデミー賞(助演女優賞)に初ノミネートされた『ブギーナイツ』(97)。30代半ばにしてカリスマポルノ女優に扮し、体を張った妖艶な演技が世界中で絶賛された。
また、『キッズ・オールライト』(10)ではレズビアンに、『クロエ』(09)ではアマンダ・サイフリッドとの女同士の濡れ場も披露し、話題に。さらに、『美しすぎる母』(07)や『キャリー』(13)では、ヒステリックで狂信的な母親役も怪演して見せた。これらのハードなキャラクターを演じてきたジュリアンは、性別を問わず幅広い年齢層から支持を集めてきた。
現在、プライベートでは2人の子供を持つ彼女だが、その子供たちがきっかけとなり、「フレックルフェイス・ストロベリー」という児童書を執筆。今後、女優としてだけではなく、さらに活躍の場を広げていきそうなジュリアン・ムーアにぜひ注目してほしい。【Movie Walker】