55歳のC・ファースが肉体改造の魅力に開眼!?
(【前編】からの続き)
コリン・ファースは『キングスマン』(公開中)で共演した個性派ぞろいの面々についても言及。ハリーの愛弟子で“スパイ見習い”のエグジー役には若手俳優タロン・エガートン、スパイ組織“キングスマン”の指揮者アーサー役には名優マイケル・ケインが、それぞれキャスティングされている。
ちょうど9月10日に55歳の誕生日を迎えたばかりのファースだが、タロン・エガートンやマイケル・ケインと並ぶと“三世代”の真ん中にあたる年代。そのポジションについて「マイケル・ケインらベテラン俳優たちの持つ厳粛さや知識は、かけがえのない宝だ。しかし演劇学校を出たばかりのタロンのような若者が持ち込むものを見るのもまた、かけがえのないことだった。ベテランから学ぶのと同じように、タロンからも学んでいたことに気が付いたんだ」と語るなど、撮影はエキサイティングな体験だったよう。
また、キングスマンに立ちはだかる敵役・IT富豪のヴァレンタインを演じるのは、サミュエル・L・ジャクソン。ファースはこの共演を心待ちにしていたようで「長年映画界で仕事をしていると、多くの有名人と出会う機会があるけど、すっかり魅せられてしまうスター、というのはそうそういるものではない。サミュエルは僕にとってそういう存在だった」と彼をべた褒め。興奮が抑えきれなかったという。
共演者とのアンサンブルを存分に楽しんだファースだが、懸念していたのはアクションパート。これまで彼は「スポーツに関してほとんど興味のない人間だった」という。「近年やっていたエクササイズも、とりあえず健康であるために必要に迫られてやっていただけで、楽しんではいなかった。長距離のジョギングやランニング・マシーンで走るのはものすごく退屈だし、ジムの環境にもあまり魅力を感じなかったんだ」。
ファースは今作のアクションをこなせるようになるため、半年間、毎日3時間のトレーニングを強いられたという。「ジムに通う男性たちは腹筋に胸筋など“見かけの筋肉”を鍛えているけど、今回僕が受けたトレーニングは、身体の一部を普段とは違った方法で正確に動かす技術を習得したんだ。自分にはできないと思っていたことが出来るようになったという事実が嬉しいし、今度はダンスとか武道系のエクササイズをやってみようかと思っているよ」と、55歳にして新たな可能性を発見できたことを素直に喜んでいるようだ。
「とにかく真に素晴らしい監督と仕事をして、どんな良いアイデアが出てくるのか、どんなチャレンジが与えられるのか試してみたい。ただ単にその日の撮影を終了させるという束縛を恐れず、それを超えた向こう側を見て、逆境にも向かっていけるような人とね」と締めくくったコリン・ファース。
『キングスマン』は進化し続ける彼のまさに“ニューステージ”!ラブコメや歴史劇で魅せる表情とは全く違う新たなコリン・ファースの魅力を、ぜひ映画館で確かめてほしい。【Movie Walker】