キアヌ・リーブス、ウィレム・デフォーとのおちゃめな初共演話を告白

インタビュー

キアヌ・リーブス、ウィレム・デフォーとのおちゃめな初共演話を告白

愛のために足を洗った伝説の殺し屋ジョン・ウィックが、愛を奪った者に復讐していく。キアヌ・リーブスが、主演映画『ジョン・ウィック』(10月16日公開)で魅せる、憂いを帯びた表情と、キレのあるアクションには、往年のファンならずともしびれる!来日したキアヌにインタビューし、情熱にあふれた撮影秘話を聞いた。

キアヌは、『ジョン・ウィック』を「人生を懸けた映画だ」と言い切る。「現実世界とアンダーワールドの世界を両立させたような映画は本当に久しぶりに撮ったよ。こういう映画に回帰したいと思っていたので、すごくうれしかった」。

美しい妻(ブリジット・モイナハン)が病で他界した後、ジョンの心を癒やしていたのは、彼女の忘れ形見の愛犬だった。ところが、ロシアンマフィアの悪の手が忍び寄り、彼の大切なものをすべて奪ってしまう。

『ジョン・ウィック』で監督デビューしたのは、『マトリックス』シリーズで、スタントコーディネーターを務めたチャド・スタエルスキだ。「元々、チャドは僕のスタンマンで、製作のデヴィッド・リーチと2人でスタントの会社を作っていたんだ。『ジョン・ウィック』は是非この2人にやってもらいたかったので、僕が彼らに脚本を持ち込んだよ。この2人なら、ストーリーありきのアクション映画が撮れるという確信があった」。

ジョン・ウィックと同じ凄腕の殺し屋マーカス役のウィレム・デフォーとは初共演となった。「ウィレム・デフォーの出演作や舞台は何作も観てきた。彼は本当に経験豊富な人で、とてもやさしく寛大で、すごくオープンな人だ。本当に素晴らしい役者さんで、リアルな芝居をするので、いっしょに共演していると引き込まれるんだ」。

ウィレム・デフォーとのおちゃめなエピソードも語ってくれたキアヌ。「雨のなかで2人が出会うシーンでは、機械で大雨を降らせたんだ。小さな傘で撮影を始めたら、雨の音が強すぎてお互いの声が全く聞こえなくて大変だった。『全然聞こえないよ』と言ったら、ウィレムも『俺も聞こえない。でも、お互いセリフは覚えているから大丈夫だよ』と言っていて(苦笑)。結局、その後、大きい傘に変えたんだ」。

本作で、ガンとカンフーを組み合わせた“ガン・フー”という新たな銃術やハードなカーアクションにトライしたキアヌ。「チャドとはもう17、18年くらいのつきあいで、お互いの趣味嗜好はすごくわかっているし、心から信頼しているので、とてもワクワクしたよ」と現場を振り返る。「チャドたちは、千葉真一さん、三船敏郎さん、黒澤明監督など、日本の映画の影響を多分に受けている。日本こそ、アクション映画の発祥地だから」と興奮気味に話す。

すでに『ジョン・ウィック』は続編が決定している。「いま、トレーニングをしているんだ。良いストーリーができあがったと思う。できれば年内か、年明け、来年には撮影を開始だから1作目を日本のみなさんが気に入ってくれたらうれしいな」。

ニコニコしながら、饒舌に語ってくれたキアヌ。やはり『ジョン・ウィック』は彼にとって特別な作品になったようだが、私たちもこういうキアヌ・リーブスを待っていたのだ。キャリアと信頼関係を積み重ねた末に生み出した快心作をじっくりとご覧あれ。【取材・文/山崎伸子】

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