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小林聡美「ドラマ以上にドラマチックだった」

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小林聡美「ドラマ以上にドラマチックだった」

動物愛護センターや犬猫の保護団体を4年間にわたって取材した映像に、女性テレビディレクターの葛藤を描くドラマを加えた映画『犬に名前をつける日』。その初日舞台挨拶が10月31日にシネスイッチ銀座で行われた。

登壇した主演の小林聡美は「普段の映画と違って、この映画はストーリーの先が決まっていて終わりがあってというわけではなかったので、台詞を覚えるというプレッシャーはなかったんですけれども、この先何が起こるのか、という緊張は毎回ありました」と挨拶。

さらに「目の前で起こっていることがドラマ以上にドラマチックだったり、予期せぬ出来事がたくさんありました」と、ドキュメンタリードラマならではの撮影エピソードを語った。

自身が飼っていた犬の死をきっかけに映像を撮り始めたという山田あかね監督は「4年前から撮影をはじめ、途中から小林さんも迎えて今回ようやく映画として完成を迎えました。悲しい映画なんじゃないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、最後まで見ていただければ絶対そんなことはないとわかっていただけると思います」と挨拶した。

また、舞台挨拶には関東を中心に犬猫保護活動を続けるボランティア団体「ちばわん」代表の扇田桂代氏と副代表の吉田美枝子氏、および広島県に本拠地を置き、栃木県に活動拠点を置くNPO団体「犬猫みなしご救援隊」代表の中谷百里氏、副代表の田原好巳氏も登壇。

吉田氏は撮影について「私たちは演じたわけではなく、小林さんとご一緒させていただいただけ。山田監督からは『小林さんのことを私だと思って普段通り接してください』と言われました」と語った。

中谷氏は監督からのオファーに際し「ドキュメンタリーとして、事実をオブラートにくるまず撮ってくれるなら」ということで撮影に応じたという。そして映画が出来上がりつつあった頃、監督から「女優を出してもいいか」と聞かれ、当初は難色を示したのだとか。しかし「その女優さんってどなたですか?と聞いたら『小林聡美さんです』と言うので、それなら…と(笑)」と、笑いを交えながら撮影裏話を語った。

最後にあらためて作品ついてコメントを求められた小林は「この映画を観ていただき、動物と人間の関係を見直すきっかけになれば嬉しいです」と語り、山田監督も「この映画は希望の映画でもあります。多くの人に観てもらえることを願っています」と締めくくった。

実際のドキュメンタリー映像と小林ら役者によるドラマを織り交ぜた、新しいタイプのドキュメンタリードラマである本作。キャストは小林聡美のほか、上川隆也、短編映画『挑戦』でカンヌ国際映画祭短編部門、日本初のグランプリを受賞した渋谷昶子監督も本人役で出演している。また、劇伴をつじあやの、主題歌はウルフルズ「泣けてくる」と、音楽でも物語を彩る。犬や猫などのペットを飼っている人はもちろん、あらゆる人が、命や“生きること”の意味を考えさせてくれる作品だ。【Movie Walker】

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