アントニオ猪木「ダー!」に飽きるも、闘魂外交への熱き信念明かす
スティーヴン・スピルバーグ監督とトム・ハンクス主演によるサスペンスドラマ『ブリッジ・オブ・スパイ』(2016年1月8日公開)の公開記念トークショーが12月16日にスペースFS汐留で開催され、アントニオ猪木参議院議員が出席。決め台詞である「1・2・3、ダー!」を炸裂させたものの、「もう本当は飽きてきてるんです」とポツリ。「でも不思議とみんなが元気になってくれる」と「ダー!」の効果について語った。
本作は、冷戦下のベルリンに単身乗り込み、捕虜となったアメリカ人スパイの救出を成し遂げた実在の弁護士、ジェームス・ドノヴァンの奮闘を描く物語。湾岸戦争時、捕虜となった日本人の解放に成功した経験を持つ猪木。各国の危険地域にも足を踏み入れており、映画に共感する部分も多かった様子で、「みんなに評価されるときでは遅い。みんなが気がついていないときに行かないと」と口火を切り、「一歩踏み出す勇気。人と人が会って、目と目で話すことが大事」と語りかけた。
ステージでは、映画にちなんだ一言ということで、「信念」という文字を書道でしたためた猪木。「プロレスより緊張する」、「親の遺言で、恥はかいてもいいけど、字は書くなといわれている」とジョークを飛ばしながらも、ダイナミックな文字を披露。会場からも拍手が上がっていた。
また、その後行われた囲み会見でも、「最終的には自分を投げ出すしかない」と政治への信念を明かした猪木。「外務省や大使館ができない部分は、我々、議員外交でできる部分もある」といい、「外交交渉というのは日本人はもっともっと経験しないと。経験に勝るものはないので。そこへ行くしかない」と“闘魂外交”への強い意志を話していた。
今年一年を振り返ることになると、「一年、一年、背がだんだん縮んでいく。しょうがないな」と苦笑い。72歳となり、「『バカヤロー!』もだんだん疲れてきた」、「(ダー!も)本当は飽きてきているんです」と正直に話していたが、「不思議とみんなが元気になってくれるので」、さらには「自分の体で感じながら、いろいろなメッセージを送れたら」と熱い胸の内を明かすなど、この日もサービス精神旺盛なエンターテナーぶりを発揮していた。【取材・文/成田おり枝】