第88回アカデミー賞ノミネート直前予測【主演女優賞編】
現地時間の10日に発表された第73回ゴールデン・グローブ賞(以下GG賞)では、ドラマ部門でブリー・ラーソン(『ルーム』)、コメディ/ミュージカル部門ではジェニファー・ローレンス(『JOY』)が受賞を果たした。今年は、例年以上に大本命が不在と言われる混戦模様が続いたまま、現地時間の14日にアカデミー賞ノミネート発表を迎える。goldderby.com、awardscircuit.com、ハリウッド・レポーター誌などの分析結果をもとに、カテゴリー別にノミネート予測をまとめてみた。
主演女優賞も例年に比べて本命不在、一騎打ちというところまで絞られていないのが現状だ。そんな中、ケイト・ブランシェット(『キャロル』)に代わって、GG賞で、初ノミネートにして初受賞を果たしたブリー・ラーソン(『ルーム』)の存在感が高まっている。今回ケイトが敗れた背景には、「同作品でルーニー・マーラが主演女優賞に選ばれてしまい、票割れした」ことが原因とも考えられているが、カンヌ国際映画祭でも女優賞を受賞したルーニーの方が存在感としては優っているという意見も多い。しかし、オスカーでは、ルーニーが助演女優賞でノミネートされ、タイトルのキャロルを演じているケイトが、主演女優賞にノミネートされると考えられている。
またほぼすべてのメディアがシアーシャ・ローナン(『ブルックリン』)を確実視している。そんな中で、他の2席を争うのは誰なのか?
1人は、今年2月で70歳を迎えるベテランでありながら、一度もアカデミー賞にノミネートされたことのない大女優のシャーロット・ランプリング(『さざなみ』)だ。既に各賞を席巻していることから、初ノミネートを果たすのではないかと期待されている。
また昨年、『博士と彼女のセオリー』でエディ・レッドメインの妻役を演じたフェリシティ・ジョーンズは主演女優賞にノミネートされたが、今年『リリーのすべて』で同じくエディの妻役を演じているアリシア・ヴィキャンデルは、主演女優賞の有力候補ながらも、助演女優賞の候補として捉えられている感がある。また、助演女優賞で『Ex Machina』の演技力を高く評価する声もあり、票割れが心配されている。
もしアリシアが票割れでノミネートされないとなると、最有力候補はGG賞で主演女優賞を受賞したジェニファー・ローレンス(『JOY』)だ。ジェニファーは、これまでほどの勢いはないものの、実在の人物を演じた同作で再びデヴィッド・O・ラッセル監督とタッグを組み、高い評価を得ている。
他にはリリー・トムリン(『愛しのグランマ』)やヘレン・ミレン(『黄金のアデーレ 名画の帰還』)の名も挙がっているが、ヘレンはむしろ『TRUMBO(原題)』の助演女優賞の方が可能性が高く、また票割れも懸念されていることから、予測不能な展開になっている。
第88回アカデミー賞授賞式は、クリス・ロックの司会で、2月28日にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。【NY在住/JUNKO】