小栗旬、山田孝之から受ける刺激を明かす「『電車男』からのファン」

インタビュー

小栗旬、山田孝之から受ける刺激を明かす「『電車男』からのファン」

同世代の中でもトップランナーとして走り続ける俳優・小栗旬。彼がとりわけ刺激を受けるのが、親友でもある山田孝之だ。織田信長として生きる青年=小栗、羽柴秀吉=山田として対峙する映画『信長協奏曲(のぶながコンツェルト)』(1月23日公開)では、小栗が直接、山田に秀吉役をオファーしたそう。彼らの間に流れる信頼感とはどんなものなのか?小栗を直撃した。

底抜けに明るい高校生・サブローが、戦国時代にタイムスリップ。織田信長として、数奇な運命を辿る姿を描く本作。小栗が、信長として生きることになった主人公・サブローと、ミステリアスな明智光秀の一人二役に挑むなか、山田が信長を憎悪する秀吉役を演じる。

月9ドラマから続く物語として、劇場版では信長と秀吉の因縁の戦いが最大の見どころとなるが、小栗は山田に秀吉役をオファーした理由について、「原作を読んでいるときに、『この秀吉は誰かなぁ』と思いながら読んでいて。『あ!孝之にやらせたらきっと面白いんじゃないか』と思ったんです」と、石井あゆみによる原作漫画を読んだ当初からイメージしていたものだという。

一体、小栗にとって山田孝之とはどのような存在なのだろう?小栗は、「すごく信頼している人なので、とにかく現場にいてくれると心強いんです。『荒川アンダー ザ ブリッジ』でも星の役をお願いして。あれも本当に面白かったですからね」と、同じく小栗から直接オファーして、カッパの村長と星役として共演した過去作を振り返り、思わず笑顔をこぼす。

さらには「ただただ、僕が山田孝之のファンなんです。彼の芝居が好きで、一緒にやっているとすごく楽しい」とストレートな思いを告白。共演した『クローズZERO』(07)から芽生えた思いかと思いきや、「『電車男』(05)を見たときから、大ファンなんですよ」と山田の初主演映画を挙げる。筋金入の山田孝之ファンだ。

近年の山田の変化も、敏感に感じ取っていた。「孝之はここ数年、本当にアクティブに動いていて、いろいろな表現にチャレンジしている。会うたびに『頑張っているな、俺も頑張らなきゃ』という気持ちになるんです。今回は同世代の色々な方と共演することができた。みんなタイプも全然違いますが、やっぱりみんな頑張っているのは同じ。人が頑張っている姿を見ると『俺も』と思います」。向井理、柴咲コウらとも共演も果たし、本作で受けた刺激は計り知れない。

秀吉役に山田を抜擢したように、いち役者というだけでなく、広い視野を持って作品づくりに臨んでいるように感じるが、「もともと、芝居が好きという気持ちから始めた仕事。役者を続けるうちに、ものづくり全体が楽しくなってきた」と充実の表情を見せる。

同世代の役者について「大ファン」と言い切ってしまう小栗の柔らかさ。ものづくりにかける熱さが、作品をより高みへと引き上げる。いよいよ舞台は、本能寺の変へ。ぜひ、織田信長=小栗、羽柴秀吉=山田による迫力のクライマックスをお見逃しなく!【取材・文/成田おり枝】

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