坂本龍一の音楽を堪能できる『レヴェナント:蘇えりし者』音楽版予告が到着
レオナルド・ディカプリオが5度目のノミネートで悲願のアカデミー賞主演男優賞を獲得した主演作『レヴェナント:蘇えりし者』(4月22日公開)。本作で、ディカプリオの鬼気迫る演技と圧倒的な映像をまとめ上げているのが、日本が世界に誇る音楽家・坂本龍一の音楽だ。この度、音楽で本作の世界を堪能できる“音楽版予告”が到着した。
本作は、極寒の地で自然光のみを使い、9か月間におよぶロケ撮影を敢行。美しくも壮絶な大自然を切り取った映像について、坂本は「この作品には息を呑むような素晴らしい映像が詰まっています。私は音楽で、主人公ヒュー・グラスの壮大なドラマを表現しました」と明かす。今回到着したのは、初めて全編にわたって劇中の音楽が使用されている映像で、たった150秒ではあるが、冒頭に収められている坂本の言葉通り、大自然の中で繰り広げられるスペクタクルを音楽を通して堪能することができる。
坂本は、「まだまだ荒い編集の映像を監督と一緒に観て、音楽について実際の音を聞きながら長く話し合いました。初めて観たその時から、この映画の主人公は“自然”だと思いました」と、本作における自然の存在の大きさについてコメント。また「(エマニュエル・)ルベツキが自然光で素晴らしい精度で撮影していますよね。そこで人間ドラマを包む大きな自然というものを音楽で描きたかったのです」と、アカデミー賞撮影賞を史上初めて3年連続で受賞した撮影監督エマニュエル・ルベツキの美しく圧倒的な映像についても語っている。
坂本の大ファンでもあるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督は、過去に『バベル』(06)でも「美貌の青空」など坂本の楽曲を使用しているが、「彼の曲には余計なものがなく優雅で感動的だ。今回の音楽には、感動的な静寂がある。静寂という“間”が映画にとって重要な役割を果たすんだ」と、坂本音楽がとても重要な役割を果たしていると分析。
一方で坂本は「最初に電話を受けた時にも言っていたのが、『メロディよりもサウンドだ。サウンドの積み重ねが必要なのだ!』と。覚えやすいメロディの音楽を使う映画が多いのですが、そういうものを目指していたのではないということです」とイニャリトゥ監督とのコラボレーションを振り返っている。
ハンティング中に熊に喉を裂かれ、瀕死の重傷を負った上に、目の前で愛する息子を殺された男ヒュー・グラスの姿を描く本作。復讐心にとりつかれ、たった一人で自然の中をさまよう男の行方も必見であると共に、そのドラマを彩る音も“必聴”だ。【Movie Walker】