“肉食”窪田正孝のストレス発散法に東出昌大が大爆笑!
街の悪を成敗しようと立ち上がったのは、ヒーローらしからぬ4人の男女だった!福満しげゆきの人気コミックで、トホホなヒーローに扮した東出昌大と窪田正孝にインタビュー。共演の小松菜奈や片岡鶴太郎、船越英一郎とのエピソードを聞いてみた。
東出はまず、初共演の窪田とのオフショットの裏話を披露。「すごく肉を食べるんです。いっしょに焼き鳥を食べに行った時、店のおかみさんから『そんなに肉を食べたら具合が悪くなっちゃうよ』と言われていて。肉を止められる人を初めて見ました(笑)」。
窪田は「肉に関しては負けないです。誰よりも食べられます」と自信たっぷりだ。「単純に肉が好きなんです。肉食恐竜は肉しか食べないし、草食恐竜も草しか食べない。人間も本来は好き嫌いがありますが、子供の頃に親とかに『これを食べなさい』とあれこれ言われて、味覚がぶれていくらしいんです。僕は単にそこがぶれてないだけです」。そう熱弁する窪田に東出は大ウケ。
さらに窪田は「東出さんは本当にこのままで飾らない方。誰に対してもすごく腰が低いので、一体どこでストレスを発散しているんだろうなと勝手に思っておりました」とうなる。東出は「僕は常日頃から発散しっぱなしですよ。逆に窪田くんこそ、どこで発散してるんだろう?と思っていました。すごく集中力があるし、現場ではバッチリ仕事をしてくるので」と驚く。
窪田は「やっぱり肉ですかね」と言うと、東出は爆笑する。窪田は東出について「何をやるにしても楽しみ方を見つけるのがすごくお上手なんです。また、すごく字がきれい!みんなで名前を書いた時、誰よりもきれいな字でした」と絶賛すると、東出は「そうかなあ」と照れ笑いする。
東出は、冴えないフリーター中津秀利役、窪田は身体能力が抜群だが、下着泥棒でニートという土志田誠役、小松は報収集能力に長けた女子高生の寺沢カオリ役、片岡鶴太郎は定年間近のサラリーマン、日下孝蔵役で、それぞれがヒーローになろうと奮闘する。船越は、彼らと関わるキーマン役に扮した。
小松菜奈演じるカオリは、かなりの不思議ちゃんだ。東出は「菜奈ちゃんは、こういう役が初めてだったと思うけど、振り切っていて、いろんな顔をもつ女優さんだなと思いました」と感心する。
窪田も、彼女の演技の振り幅がすごかったと言う。「衣装の変化が大きくて、途中から全く別人になるんです。三つ編みからストレートヘアになると、印象ががらりと変わり、いきなり年上の女性の魅力を醸し出してくる。あれ?と、戸惑う部分がありました」。
片岡鶴太郎については、若手俳優陣への気遣いがありがたかったという東出。「優しく声をかけてくださって、役の上でも現場でも、父親然とした感じでいてくださいました。鶴太郎さんだったからこそ、あの家族感やチームワークができたのではないかなと」。
窪田は、鶴太郎がほぼ吹き替え無しでアクションをする姿に感銘を受けた。「すごくキレキレに動かれていました。アクション監督がつけてくれる殺陣にも楽しんで望まれていたのは、素晴らしかったです。いちばんストイックなんじゃないかと思います」。
東出は、船越英一郎も、気さくで面白く、懐の深い人だったと言う。「大御所なので、若いキャストやスタッフさんも、緊張するんですが、船越さんが気を遣わせないように接してくださる。屋上で踊るシーンでは柵がなくて、スタッフさんが『高いところは大丈夫ですか?』と聞いたんですが、そしたら船越さんが『僕が何回、断崖絶壁のうえで芝居をしたと思っているんですか?』とおっしゃられて。そのひと言で、現場もなごやかになりました(笑)」。
窪田も、船越の役柄について「誰よりも怪しい人でした」と笑う。「でも、楽しんでやられていた印象があります。役に対してすごく真面目に向き合われていて、ああいう大先輩を現場で見られることや、ご一緒できることがすごく幸せでしたし、刺激もいただきました」。
ぞれぞれの個性が炸裂した、破天荒なアクションコメディ『ヒーローマニア-生活-』。笑って、ドキドキして、観終わった後、スカッとした気分で劇場を出られる快作となった。【取材・文/山崎伸子】