濱田岳とムロツヨシが驚愕!ラブシーンと殺戮シーンの絡み合い|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
濱田岳とムロツヨシが驚愕!ラブシーンと殺戮シーンの絡み合い

インタビュー

濱田岳とムロツヨシが驚愕!ラブシーンと殺戮シーンの絡み合い

森田剛主演映画『ヒメアノ~ル』(5月28日公開)は、前半と後半でパッキリと作風が切り替わるという新鮮な作りのサイコサスペンスだ。コメディタッチの会話のやりとりに笑っていると、中盤からいきなりシリアス路線にシフトし、うっかり火傷させられてしまう。森田剛と共演した濱田岳とムロツヨシにインタビューし、本作のラブシーンからハードな殺戮のシーンまで、撮影裏話を聞いた。

濱田が演じるのは、ビル清掃会社のパートタイマーとして働く岡田役。岡田は、バイトの先輩・安藤(ムロツヨシ)から、彼が通い詰めているカフェの店員・阿部ユカ(佐津川愛美)との仲を取りもつようにお願いされる。ところがユカからは知らない男からストーキングされていると告白されるが、その正体が、岡田のかつての同級生・森田(森田剛)だと判明する。

岡田はある日ユカから告白され、2人は内緒でつき合うようになるが、森田は執拗にユカの居所を探っていく。原作は「行け!稲中卓球部」「ヒミズ」の古谷実の人気コミックで、『銀の匙 Silver Spoon』(14)の吉田恵輔監督がメガホンをとった。

濱田は、ユカ役の佐津川愛美との生々しくも初々しいラブシーンを照れながら振り返る。「僕も人間なので、ラブシーンという行為をあまり人に見られたくないんです。コソコソしたいタイプだから、やっぱり恥ずかしかったです。どうなるのかはスクリーンで見るまでわからなかったし、いろんな意味でドキドキしましたが、完成した映画を観てみたら、本当に必要なシーンだったなとは思いました。作品においては、やって良かったです」。

ムロは「リアルすぎるよね」とニヤニヤしながら濱田にツッこむ。「岡田を見ていると、岳くんが本当にそういう人なんじゃないかと思えてしまう(笑)。性体験を聞かれた時のいじけ方も、『これはお芝居なのか?』と、確認したくなるくらい説得力がありました。あの背中の向け方は演技じゃなくて、演技を超えてる。俺は岳くんと10年来の付き合いだからこそ言える」。

濱田は「知らず知らずのうちに、癖が出ていたのかもしれない」と苦笑い。「でも、あそこは役者同士の根性のぶつけ合いだったんです。佐津川さんに対しても僕が『恥ずかしい』と言うことはとても格好悪いなとは思ったし、やらなきゃ終わらないので。そういうふうにお互いが高め合えたというか、独特の緊張感がありました。そんな撮影を経験できたのはすごく良かったです。佐津川さんはいろいろなシーンで真摯に臨まれていました」。

岡田とユカが愛を確かめ合う微笑ましいラブシーンに、森田の殺戮シーンがカットバックで入っていくというトリッキーな編集が斬新だ。幸せな日常と、非日常の狂気が隣り合わせになっているという本作のテーマが、見事に表現されている。

濱田は、先に撮ったという森田の猟奇的な殺人シーンを現場で見せてもらってから、ラブシーンに入ったと言う。「監督のなかでは最初からそういう意図があったのかなと」。

森田剛の研ぎ澄まされた怪演には思わず息を呑んだという2人。濱田は「2人でツメるところでは、森田さんと2人になることが多かったんです。そこでちょっと森田さんに『犯したり殺したりするシーンで、気持ちが滅入ったりしないんですか?』と聞いたことがあって。そしたら、あの森田役のトーンで『そりゃあ滅入りますよ』と言われて、すごく鳥肌が立ちました」と述懐する。ムロも「それは確かに怖いなあ」とのけぞる。濱田も「すごく怖かったです」とうなずく。

原作の世界観を見事に実写化した『ヒメアノ~ル』。そのメリハリの効いた構成力には思わずうなる。主要キャスト陣の気合あふれる演技合戦にも着目したい。【取材・文/山崎伸子】

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