過酷な役が続く山本美月「心の闇演じたい」新境地への意欲明かす|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
過酷な役が続く山本美月「心の闇演じたい」新境地への意欲明かす

インタビュー

過酷な役が続く山本美月「心の闇演じたい」新境地への意欲明かす

CanCamの看板モデルとして脚光を浴びながら、『桐島、部活やめるってよ』(12)以降、数多くのテレビドラマや映画でキラリとした存在感を発揮している山本美月。2016年は『貞子vs伽椰子』(6月18日公開)でホラー映画初主演に挑むほか、湊かなえの同名小説の映画化で、ある出来事によっていじめられる女の子を演じた『少女』(10月8日公開)が控えている。

過酷とも思える役柄が続いたが、「これまで明るい役が多かったので、『心に闇を抱えた役をやりたい』と発言していたんです。それを汲み取ってくれた方がいるのかも。幅が広げられたと思っています」と言霊の力を明かしつつ、新境地への貪欲な姿勢を告白する。今どのような心境で女優業に臨んでいるのか。思い描く夢までを語ってもらった。

『貞子vs伽椰子』は、『リング』シリーズの貞子と『呪怨』シリーズの伽椰子がまさかの接近遭遇と対決を果たすスーパープロジェクト。山本は、貞子の“呪いのビデオ”を手にしてしまう女子大生・有里役を演じている。恐怖シーンの連続で観る者をクギづけにするが、「観ている方に、怖いということを“見せる”お芝居を勉強させていただきました」とホラー映画で得た学びを語る。

「例えば、シャワーシーンで大量の髪の毛が手につく場面があるんですが、現実だったらすぐに『うわー!』と思って髪の毛をはらいますよね。でもホラー映画の場合は、まずしっかりと髪の毛を見てから、はらう。怖いことが起きても、演じる側としては下を向いてはダメだし、目をつぶるよりは、目を見開いた方が怖く見えるんですよね。とても勉強になりました」。

一つひとつの経験をしっかりと糧にして、女優道を進んでいる様子。「みんなでやる気を持って、ひとつの作品をつくっているという感覚がとても好きなんです。『貞子vs伽椰子』の現場もそれを実感できる現場でした」と女優業の楽しさを話す。その思いを強くしたのは、ドラマ『地獄先生ぬ〜べ〜』(14)や初主演映画『東京PRウーマン』(15)に出演した頃だそう。

「『ぬ〜べ〜』ではスタッフさんとすごく距離が近くて、たくさんお話もして。主演映画では責任感もついたような気がします。以前は自分のことしか考えられなくて。だんだん周りが見えるようになって、スタッフさんの名前もきちんと覚えてお仕事ができるようになりました。すると、スタッフさんが『こうしたいんだな』ということもわかってきて、『そのためには私がもっとこうすればいいんだ』と思うこともできるようになったんです」と周囲を見られるようになったことで、自分の役割やものづくりの楽しさも実感できたという。

だからこそ、仕事に臨む上では「コミュニケーションをとればとるほど、お互いを信頼できる。その人たちがいい作品をつくりたいんだという気持ちも見えてくる」とコミュニケーションを大切している。充実の日々がうかがえるが、そんな彼女にとって共演してみたい憧れの人を聞いてみると「今、海外ドラマ『ウォーキング・デッド』にハマっていて。出演者のスティーヴン・ユァンという俳優さんがすごく好きで、お会いしてみたいです」とにっこり。

「殺される役でもいいので参加してみたいです!でも英語が話せないので、勉強しないといけませんね」とハードルを自覚しつつも、実は目下、勉強中なのだとか。「英語の本を読むようにしていて。でも“ザ・英語”の本だと難しいと思って、日本のライトノベルの英語版を読んでいるんです(笑)。先日は『狼と香辛料』の英語版を読んでいました。でも全然読めなくて、辞書を片手に必死で読んでいる感じで。こんなに知らない単語があるのかと驚いています」。

言霊を実現できる人は、何をやるべきかを考え、そのためにしっかりと努力している人。山本美月のキラキラとした瞳を見ていると、はっきりとそう感じられる。まずは絶叫&恐怖の表情たっぷり!『貞子vs伽椰子』で、彼女の新境地を楽しんでほしい。【取材・文/成田おり枝】

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