細田守監督と是枝裕和監督、広瀬すずにベタ惚れ!キャスティング秘話明かす

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細田守監督と是枝裕和監督、広瀬すずにベタ惚れ!キャスティング秘話明かす

アニメーション映画監督・細田守が7月9日に早稲田大学で行われた特別講義「映画のすべて マスターズ・オブ・シネマ」に登場。司会を務めた是枝裕和監督と、「広瀬すずの素晴らしさ」について熱く語り合った。

同講義は、映画監督を中心とした映画関係者をゲスト講師として招き、映画・映像・制作のプロセスを学ぶ講座。この日は、教授である是枝監督の司会のもと、細田監督が映画製作について思いを明かした。

「1960年代生まれである」、「テレビで経験を積んだ上で映画作りに挑んでいる」、「家族をモチーフに描く」など共通項も多い2人。是枝監督は、俳優・声優のキャスティングについても「好みが似ている」とにんまり。細田監督は『バケモノの子』(15)のヒロイン・楓役として、是枝監督は『海街diary』(15)の末っ子・すず役として広瀬を抜擢しているが、細田監督は「技術でお芝居をするのではなく、その人の存在感や人間性で表現をできる人を求める」と声優に求める条件についてコメント。

一方の是枝監督が「僕は声で選んでいる。その人の声でセリフが書けるかどうかが決め手になる」とキャスティング秘話を明かすと、細田監督は「ええ!?」と驚きつつ「『海街』の広瀬さんはすごいですよね。僕は『バケモノの子』をお願いした後に『海街』を見たんですが、突き抜けていますよね。あんなにすごいとは思わなかった」と『海街diary』の広瀬の演技を絶賛した。

是枝監督も「すずが一言セリフを発しただけで、楓がちゃんと1人で立っているということがすぐにわかった。僕もこの強さはどこから来るのかと思って撮影していましたが、その強さが(楓の)ひと言目で見事に出ていた」と『バケモノの子』を見て広瀬の才能を再確認したという。さらに細田監督が「広瀬さんはすごく堂々とした、仁王立ちしているような存在感がある。それは凄まじい。声にもそれが伝わる要素があってキャスティングしました」と続けるなど、賛辞の言葉が止まらなかった。

また是枝監督は、細田監督の「映画を作る時に“公共性”を重んじる」という考えにとても感銘を受けるという。細田監督は「東映動画という会社にいたので、『アニメーションは子供が見るものだ』という刷り込みがあるんです。監督の表現やアイデンティティである前に、公共性が先に来てほしい」と映画作りへの姿勢を告白。是枝監督も「『映画を見た人が、人間であることがイヤになるようなものだけは作るまい』と思っている。自分が作るのはそこではないと思っている。その人間や世界に対する肯定感が、細田さんの作品にシンパシーを感じる大きな理由かなと思う」と細田作品への共感の思いを分析していた。【取材・文/成田おり枝】

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