山寺宏一&松岡茉優のレア対談が実現!「山ちゃんは“公式お父さん”」
『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナ』(7月16日公開)で、ゲスト声優を務めた山寺宏一と松岡茉優。山寺は番組メインMCとして、松岡はおはガールとして、共に「おはスタ」に出演していた旧知の仲だ。今回、全国の「おはスタ」ファン必見の山寺&松岡の“親子”インタビューが実現!この組み合わせでのインタビューはMovie Walkerだけ。二人の貴重な会話をロングバージョンでお伝えする。
レジェンド・山ちゃんとスーパーおはガール・茉優
――松岡さんの「おはスタ」卒業から6年経ちましたが、現在のお二人はどういった関係でしょうか?
山寺「(真顔で)いま大活躍している若手実力派女優・松岡茉優と、そのファンですね」
松岡「またまた~そういうことおっしゃる~(笑)」
山寺「先制パンチを打っておこうかなと思って(笑)。でも、僕は本当にファンですから」
松岡「山ちゃんは私が出演した作品をほぼ全部見てくださって、感想をメールで送ってくれるんです」
山寺「茉優が卒業して、最初のレギュラー番組から見てましたからね。あんまりしつこくメールすると、面倒くさいと思われそうで怖いんですけど…」
松岡「思うわけないじゃないですか(笑)。嬉しいです、本当に」
――ずっと「おはスタ」のMCを務めてきた山寺さんを松岡さんはどう見ていましたか?
松岡「おはガール時代は本当に右も左もわからなかったので、山ちゃんの姿を見ながら、ずっと勉強をしていたんです。山ちゃんは私が入った時点で『おはスタ』を13年も続けられていて…あっ、その時にみんなで撮った写真、まだありますよ(スマホを取り出して当時の写真を見せる)」
山寺「うわっ!よく持ってるな、そんなの。南海キャンディーズも鉄拳もアンガールズも…。懐かしー」
松岡「山ちゃんはスゴいですよ。番組開始から19年間、月曜から金曜まで毎朝4時に起きて、生放送をするなんて考えられない。どんなトラブルがあっても、番組の最後、山ちゃんが『今日も元気にせーの、おーはー!』で締めてくれるのが、本当にカッコよくて。山ちゃんはレジェンドだな、と(笑)」
山寺「いやいや、とんでもない。そう言う茉優も“スーパーおはガール”だったじゃん」
松岡「スーパーって(笑)。私はお笑い担当だったので、悪ふざけすることが多かったんですけど、じつはその時期『私は女優さんになりたいのに、これでいいのかな…』って迷っていて、その悩みを誰にも言っていなかったんです。でも、山ちゃんは察してくれて、『蒼井優ちゃんもおはガール時代は変顔してたんだよ』って言葉をかけてくれた。それから『変顔してても大丈夫なんだ!』って自信が持てるようになったというか」
山寺「そうしたら変顔をやり過ぎて、『それはやり過ぎだろ!』ってことも何回かあって(笑)」
松岡「あれだけ変顔しても大丈夫って言ってた山ちゃんからNGが出た(笑)」
山寺「スーパーおはガールって言ったのは、この子は何でもやれちゃうからなんですよ。とにかく面白いことをやろうとする意気込みというか、やり切ろうとする姿勢は歴代ナンバーワンです。茉優なら任せられるってスタッフも信頼してたし。そんな子は他にいないですよね」
おはガール時代から続く松岡の野望、ついに叶う!
――いまでは親子といった感じですが、当時からそんな関係だったんですか?
松岡「いや、もう師匠と弟子って感じでした」
山寺「そこの礼儀はちゃんとしてましたけど、あまり歳が上とか下とか関係ないですね。やっぱり『おはスタ』みたいな番組は“みんな仲間”っていう感じにしないと」
松岡「まさに“おはスタファミリー”ですね」
山寺「うん。おはガールの子たちはプライベートのことでも何でも話してくれた。茉優とは『テストの点がものすごく悪かった』っていう話もしたね」
松岡「私は中学生の時に100点満点中、2点を取ったとこがあるので(笑)」
山寺「さすがに『おい!大丈夫か?』と(笑)。でも茉優はあっけらかんとしているんです。理由を聞いたら『私より低い点数が下にまだ2人いるから大丈夫!』だって(笑)」
松岡「その時は0点が2人いたんですよ(笑)」
山寺「でも高校になったら抜群に成績が良くなったよね?もともと頭の良い子だっていうのはわかっていたので、やらなかっただけだったんだなって」
松岡「高校生になって成績がグンと伸びた時に褒めてくれたのも山ちゃんでした。『すごいじゃ~ん!』って褒めてくれたんです」
山寺「2点からの100点だからね(笑)。でも、茉優はいまでもこういう風にいろんなところで僕や『おはスタ』の話をしてくれるんです。それが偉いなと思いますね。卒業後にもいっぱい仕事をしてるわけだから、『おはスタ』もたくさんの仕事の中のひとつなんですよ、本当は」
松岡「そんなことないです!私は初めて継続してお仕事いただいたのが『おはスタ』だったんです。『おはスタ』がかけがえのない原点だというのは、これからもまったく変わらないですね」
山寺「そういう風に思ってくれているっていうのは、ちょっといい話ですよね。本当に僕の励みになります」
――松岡さんの『おはスタ』卒業後は、意外にもお二人の共演の機会はなかったんですよね。
山寺「そうなんです」
松岡「だから、山ちゃんが卒業する直前に『おはスタ』に出演させていただいた時がかなりお久しぶりでしたね」
山寺「久しぶりだったね。いつかは来てもらいたいと思っていたので、卒業前に共演できて本当に嬉しかったです」
松岡「山ちゃんのいる『おはスタ』に、OGとして凱旋するのが私の野望だったんです。私がおはガールだった時も、卒業後も活躍している元おはガールの方たちがゲストとしてスタジオに遊びに来ていたんですよ。それがすごくカッコよくて、当時からの夢でした」
山寺「茉優に来てもらいたいってスタッフみんなが思っていたからね。いろんな都合とか事情があるだろうけど、これからも茉優には『おはスタ』のこと忘れないで、ちょこちょこスタジオに行ってほしいと思います」
松岡「もちろん忘れないですよ。私の魂は(テレビ東京がある)神谷町に置いてきましたから(笑)」
山ちゃんは“松岡茉優公式お父さん”
――そして今回、「ポケモン映画」のゲスト声優として一緒の作品に参加する機会がやってきたわけですが…。
山寺「茉優が参加する話を聞いた時に『ついに来た!』と思いましたね。おはスタMCとしてはおはガールの成長を直接見守れることが何より嬉しいことですから」
松岡「初めての『ポケモン』、初めてのアニメ声優だったんですけど、隣に山ちゃんがいるっていう状況が本当に久しぶりで、『おはスタ』の時の感覚…無駄にはしゃぎたくなるあの感覚が蘇ってきました。たぶんどんな作品で山ちゃんとご一緒しても、この感覚って変わらないんだろうな」
――山寺さんが松岡さんのアフレコ現場に駆け付けたという話も聞きました。
松岡「そうなんです!山ちゃんの収録は別日だったにもかかわらずわざわざ来てくださって」
山寺「じつは以前、茉優が映画の吹替えでアフレコの仕事をやる時に一回相談を受けていて…。やり方が違うからちょっと慣れないかもしれないけど、演じるということでは同じだし、その演技力が認められて抜擢されているわけだからそのままやればいいじゃんって言った記憶があります。でも、その時も話しているうちに懐かしくなって、長電話でずっと話しちゃったんですよ(笑)」
松岡「ちゃんとアドバイスもしてくださいました。私の記憶では1時間半ぐらい話してましたね」
山寺「声の仕事となると、つい僕も余計なことを言っちゃって(笑)」
松岡「あの電話はすごかったな~。本当に勉強になりましたよ」
山寺「だからアフレコの雰囲気はわかっているだろうし、今回の『ポケモン映画』でも、アニメだからって何も変わらないと思ったんだけど、僕が行くことで茉優が少しでも安心するんだったら行ってみようかなって。折角だから『ここにアドリブ入れちゃおっか?』と提案したら、音響監督から『いりません』と(笑)。そこからはひたすら見守って励ましてました」
松岡「ただ、山ちゃんが見守ってくれていた時の声は全部録り直しになったんですけどね(笑)。山ちゃんが帰った後に体が温まってきて、音響監督さんから『録り直す?』って聞かれて、『せっかく山ちゃんが見てくれてたし…』と思ったんですけど『やります!』って言っちゃった」
山寺「しょうがないよ。『ポケモン映画』の音響監督、監督からの指示は他のアニメより厳しいというか、尺に合わせることよりも、キャラクターの気持ちを大事にしてるから、もちろんダメ出しもある。でもすごいなと思ったのは、茉優はちゃんとそれを自分の中で理解して、消化して、表現していた。それを目の当たりにして、だからこんなに結果を残してきているんだなって感じましたね。僕、ドラマとか映画はたまにしかやらないんですけど、その時は茉優に見守りに来てもらおう」
松岡「ハハハ(笑)。何をおっしゃいますか~」
山寺「見守り人として来てよ。たまにアドバイスしてもらったりして」
――再会を誓ったところで、最後に何か言い残したことはありますか?
松岡「山ちゃん…大好きです」
山寺「僕も大好きです…まあ、“好き”といってもお父さん目線の“好き”ですからね(笑)」
松岡「山ちゃんは私の“公式お父さん”みたいな存在ですからね。アフレコの現場で山ちゃんに抱きつくのがひとつの夢だったので、今回の『ポケモン映画』でそれが果たせて本当に嬉しかったです」
山寺「でもこれからどんどんお年頃、大人になっていくと、茉優はそういう気持ちでも、『こんなおっさんに抱きつくのはやめて!』っていうファンもいるかもしれないよ」
松岡「公式お父さんだから大丈夫です(笑)」
山寺「まあ僕もどんどん老けておじいちゃんになっていくから、大丈夫でしょうけど。他に何か言い残したことは?」
松岡「そうだなあ…これからもずっと、モジャ眼鏡でいてくださいね」
山寺「最後にそこか(笑)。よしわかった!無理矢理にでも若作りして、ずっとモジャ眼鏡でいるよ!」
【取材・文/トライワークス】