井上真央&鈴木亮平が明かす、“心の師匠”と成長のヒント

インタビュー

井上真央&鈴木亮平が明かす、“心の師匠”と成長のヒント

ロングセラー児童小説をアニメ映画化した『ルドルフとイッパイアッテナ』(8月6日公開)で声の出演を果たした井上真央と鈴木亮平。努力家で熱血。しかし決して堅物ではなく、ユーモアと温かな人柄で周りをも明るくしてしまう2人は、相性もぴったり。劇中でも“猫”役として、息の合ったやり取りを披露している。“師弟”とも言える関係性を演じた彼らに、心に残る“師匠”の存在を聞いた。

本作は、ひょんなことから飼い主のもとを離れ東京にやって来てしまった小さな黒猫・ルドルフ(井上)が、街を牛耳るボス猫・イッパイアッテナ(鈴木)と出会い、ノラ猫としてともに成長していく姿を描く物語。

声の仕事は「難しかった」と振り返る2人。井上は「私にできるかなと不安でした。ですが、スタッフのみなさんが私に任せてくださったと思うと、ぜひチャレンジしてみたいと思いました」と強い責任感とともに飛び込んだ。一方の鈴木は声優初挑戦。「僕にお話をいただけたということは、生身の人間がやるからこその何かを期待されているんだと考え、真実味のある感情を出していきたいと思いました」とお互いに、自分がやるからこその意味を感じて臨んだという。

お互いの印象を聞いてみると、井上は「勉強熱心で、『これはどういうことだろう?』と興味を持ったことをとことん突き詰めていく。好奇心旺盛なところは亮平くんとイッパイアッテナは似ていると思います」。鈴木は「真央ちゃんは、実はすごくサバサバとしているし、負けず嫌いで。天真爛漫な男の子のような雰囲気もあって、ルドルフに似ていますね」とそれぞれが演じた役柄との共通点を、相手に見つけていた様子。

さらに鈴木は「イッパイアッテナがルドルフに文字を教えるシーンがありますが、文字を書くシーンにちなんで言うと、真央ちゃんはものすごく字がうまいんです!しかも独学で学んだそうで。字へのこだわりは、ちょっと変態的だよね(笑)」と井上の達筆ぶりに惚れ惚れ。井上は「“変態仮面”に変態と言われるなんて、光栄です(笑)」と鈴木の過去作とかけて爆笑するなど、屈託なく笑い合う姿から、2人の仲の良さがひしひしと伝わる。

ルドルフはイッパイアッテナの背中を見ながら、たくさんのことを学んでいくが、2人にとって師匠のような存在はいるだろうか?井上は「私は子どもの頃からこのお仕事をしていて、学業とお仕事を両立させたいと思ってきました。小学校から大学まで、その思いを叶えるために助けてくれた先生が必ずいらっしゃったんです。先生に恵まれていたことは私にとっての宝物です」と自身の歩む道を助けてくれた先生たちに感謝しきり。

鈴木は「昔、舞台で市村正親さんとご一緒させていただいて。市村さんは、稽古が終わったらその足でまた習い事に行かれたりするんです。本番前は毎日2時間前には現場に来て、汗だくになってウォームアップをされていました。これを何十年もやり続けていらっしゃるんだと思ったら、それぐらいでないと第一線で活躍するのは難しい世界なんだと感じましたし、今でも、特に舞台をやる時には市村さんの姿を思い出します」と、ストイックに走り続ける先輩から大いに刺激を受けたという。

相手の目をしっかりと見つめてインタビューに答える2人。仕事への向き合い方も清々しいほどにまっすぐだ。最後に、新たなチャレンジを重ねる彼らに「成長するための秘訣」を教えてもらった。「人は苦労して成長すると感じています。結果がどうこうではなく、大変な思いをして、その過程で成長していくんだなと思います」(井上)。「変化をし続け、変わることを恐れないこと。悪い方に変わったっていいと思うんです。『この道は違った』と思えば、また戻ればいいんですから。その道を確かめてみなかった自分よりは、必ずよくなっているはず。どんどん変わり続けることで、人間は成長していけるんだと思います」(鈴木)。【取材・文/成田おり枝】

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