声優・綾瀬はるか『ホッタラケの島』で流した“涙”のワケ
フジテレビとプロダクションIGがタッグを組み、日本独自のセルアニメーションの手法と最新デジタル技術を融合させた全く新しいタイプの3DCGアニメーション映画『ホッタラケの島 遥と魔法の鏡』(8月22日公開)。8月5日、完成を記念しての披露試写会が東京・お台場にて行われた。
夏休みまっただ中ということもあり、会場には親子連れの観客がぎっしり。佐藤信介監督をはじめ、主人公・遥の声を演じる綾瀬はるか、遥の父役の大森南朋、遥の母役の戸田菜穂、そしてホッタラケの島の住人であるきつねのテオの声を担当した声優・沢城みゆきの5人が登壇し、観客たちにあいさつをした。
自身も完成した映画を観たばかりという綾瀬は、「ジェットコースターに乗ってるみたいでわくわくしながら見入ってしまって、遥が若い頃の両親の思い出を見つめるシーンでは思わずぽろぽろ泣いてしまいました」と、一観客としても熱い思いを伝えた。
その母で、劇中ではすでに亡き人を演じた戸田も、「羊の人形をまだ子どもの遥に託すシーンでは、演じながら涙が出そうになっちゃった」と、アフレコの裏話を披露。大森は「実生活でも子どもがいないというのに、高校生の娘をもつ父役、それも声の演技だなんて……すごく難しかったです」と、声優業の大変さをぽろり。
登壇者の中でただひとりプロの声優である沢城は、「古いものを使って新しいものを作っていく物語の世界観に打ちのめされました」と作品を分析する一方で、ステージ脇に立つ着ぐるみのテオになりきり「ボクも感動した!」とシャウトして会場を沸かせた。
佐藤監督は、「子どもの頃、夏休みになると車で3時間もかかる街の映画館へ連れてってもらって映画を観たのが最高の思い出でした。この作品を観た子ども達が大人になって振り返ったらやっぱり楽しい思い出となるような、そんな映画になってほしい」と、客席にいるたくさんの子どもたちに向けて語った。製作に4年の歳月をかけ、キャラクターは1コマずつ人が手で動かす「手付け」という手法を採用して日本アニメ独特の暖かみを出そうと苦心したという。
ハリウッド製のCGアニメとは一味ちがう、民話をベースにしたノスタルジックな冒険ファンタジー「ホッタラケの島」は、8月22日より全国東宝系にて公開。【取材・文/皆川ちか】