合戦シーンなし!戦国時代の「プロジェクトX」的映画
ゲームから火がついて、戦国武将に入れあげる“歴女”と呼ばれる女性が現れるなど、巷では世を挙げての戦国ブーム。その人気は戦国武将たちが築いた城にも集まっているが、織田信長の命により築城されたものの、彼の死とともに失われてしまい、長らく謎の城とされてきた安土城という城をご存知だろうか? そんな安土城の築城に携わった男たちの生き様を描いた映画『火天(かてん)の城』が、9月12日より公開される。
本作は、織田信長に安土城の建築を命じられた番匠(宮大工)が、困難にさらされながらも築城を成し遂げるという物語なのだが、この映画を見ると、いかにこの安土城という城が、戦国時代としては“規格外”な城だったのかがわかる。
例えば、天守の高層階に居住スペースが設けられていたところ。高層の天守に住んだのは、後にも先にも信長ただ一人だという。また、地下1階地上6階の五重の天守が、当時の常識をはるかに超えるサイズだったなど、信長の古いものに縛られない、新しい発想が詰まった産物だったといえる。
ちなみに『火天の城』は、戦国時代を舞台にしているものの、大規模な合戦シーンなどは劇中には出てこない。技術者が困難を乗り越え、目的を達する「プロジェクトX」のような見地から観ることで、通常の歴史映画とは異なる楽しみ方をしてみては。【トライワークス】
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