もはや文化遺産!? 80年代“ゴージャス・ラブホ”の魅力
中世ヨーロッパのお城のような外観、回転ベッド、天井ミラー、ファンシーなホテル名…。高度成長と共に進化してきた日本のラブホテル文化だが、不況の煽りを受け、多くの“名ラブホ”が絶滅の危機に瀕している。そんな日本各地の“名ラブホ”を一挙に紹介するドキュメンタリー映画『ラブホテル・コレクション 甘い記憶』が9月26日よりユーロスペースにて公開されることとなった。
そもそもラブホテルとは、日本で独自に発展した宿泊施設。市街地の外れや郊外の幹線道路に立つ斬新かつキッチュな外観は、外国人からすると異様に映るようだ。このドキュメンタリーで紹介されるのは、その中でも際立って豪華で、珍しい部屋ばかり。江戸城の大奥を思わせる部屋や、中国皇帝の寝所を模した部屋など、支配者気分を味わえる寝室だけでなく、黄金の湯殿など“ラブホテル文化絶頂期”の豪華な部屋が多数登場する。まさに大人の遊園地といった感じなのだ。
監督は「工場萌えな日々」「デコチャリ野郎」「伊勢エロスの館・元祖国際秘宝館」などで、マニアックな文化に限りない愛を注ぎ異色作を連発する奇才・村上賢司。木村伊兵衛写真賞受賞のクリエイター都築響一氏や、ラブホテル研究の第一人者でベストセラー「ラブホテル進化論」の著者・金益見氏も製作に協力しているので、この機会に文化遺産としてのラブホテルの魅力を、たっぷり堪能してみてはいかがだろう。【トライワークス】
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