実際どうなの?気になる『カリオストロの城』MX4D版を体験してきた!
3Dや4D、爆音上映に、応援上映まで、さまざまな上映形態の広がりをみせているこの頃。4Dは洋画大作などの上映ですっかり一般的になったが、現在、名作『ルパン三世 カリオストロの城』(79)が、原作50周年を記念して『ルパン三世 カリオストロの城 MX4D版』として公開されている。38年前のアニメと最新上映方式のコラボレーション…気になったのでさっそく体験してきた!
その場にいるかのような臨場感!冒頭からMX4Dが真価を発揮
劇場は平日の昼間の上映回にも関わらず、空席わずかの盛況ぶり。オリジナル版と見比べたい、ということなのか客層は中高年がメインだった。本編がスタートすると、さっそく座席が動き出す。最初にMX4Dの効果を体感できたのは、冒頭のクラリス追跡のカーチェイスシーン。
ルパン&次元が乗る愛車・フィアットが急にハンドルを切ったり、ガードレールにぶつかったりするたびに、シートが上下左右に激しく揺さぶられる。さらに次元が車から身を乗り出して悪漢たちに銃を撃つと、劇場の壁面から閃光が走り、まるで車に同乗しているかのような臨場感で、一気に映画の世界へと引き込んでくれた。
誰もが知る名シーン“ルパンの大ジャンプ”をMX4Dで体感!
銃撃戦では顔の周りにエアーが噴射されて弾がかすめる感覚が味わえたり、水に飛び込むシーンではしぶきが顔に吹きかかったりと、とにかく芸が細かいMX4D。その中でも特筆すべきは劇中屈指のあの名シーンだ。
それは、塔に幽閉されたクラリスを救い出すために、ルパンがカリオストロ城の屋根から塔めがけて大ジャンプをする場面。踏切~着地の間、空高く舞うルパンの動きに合わせて、シートが緩やかに上へ下へと傾きを変え、その“浮遊感”を見事に再現していたのだ。じつにアニメ的でコミカルなシーンだからこそ、MX4Dならでは“過多な演出”が嬉しい。
宮崎駿作品のモチーフが満載の“原点”を再確認!
ここまでMX4D版の魅力に触れたが、『ルパン三世 カリオストロの城』を大スクリーンで見られるということにも、大きな意味がある。宮崎駿が手がけた初の劇場作品である本作は、“少女”“水”“飛行機”など、後のスタジオジブリ作品で、宮崎がモチーフとして描き続けるものが数多く登場するのだ。
それに加え、今回の『ルパン三世 カリオストロの城』は2014年に劇場公開されたデジタルリマスター版をベースに、フィルムの汚れなどを除去したクリアなものになっている。さらに、音声もノイズを取り除いて5.1チャンネル化しており、映画館の極上の音響であの大野雄二が手がけた名スコアの数々を聞けるだけでも、鑑賞料金2200円はお得かもしれない。
過去に15回もテレビで放映され、昨年10月に放映された時にも12.4%という高視聴率をたたき出している本作。「テレビでは見たことあるけど、劇場では…」という方も多いかもしれないが、ぜひこの機会に劇場で体験してほしい!【トライワークス】