竹中直人&奥田民生が“中年バンド”映画PRで熱唱!
竹中直人が主演し、かつてのバンド活動を再開することで人生への夢を取り戻そうとする中年たちの姿を描いた音楽ドラマ『僕らのワンダフルデイズ』(11月7日公開)の完成披露イベントが21日に行われた。
舞台にスモークが上がると、バンドのボーカル担当の竹中直人が登場。音楽アドバイザーとして参加した奥田民生が生ギターをかき鳴らすと、2人で劇中歌「僕らの旅」を熱唱した。その軽快な歌声と演奏に、観客からは温かい手拍子が沸き上がる。
この劇中歌は奥田が加山雄三の曲を意識しながら書いたもので、「竹中さんの青春をイメージしていますが、歌に関して特にアドバイスはしていません」と竹中の見事な歌唱を褒めたたえる。ところが竹中自身は「本当は僕に厳しくて、タンバリンの弾き方が違うって、いつも言われました」と演奏の大変さを振り返り、場内の笑いを誘っていた。
この曲、映画では中年男優たちが吹き替えなしでリアルな演奏を見せるが、竹中に続いて舞台に上がった出演者たちも音楽の苦労談を次々に語り始めた。
ギター担当の宅麻伸とベース担当の段田安則は、これまで楽器演奏の経験がほとんどなかったが、宅間が「練習のせいで指先が硬くなり、もう、やりたくないです」と初心者の大変さを振り返ると、段田は「たしかに楽器は大変でしたが、才能があれば、この道に進みたかった気もします」と音楽に対して前向きな発言をみせる。
キーボード担当の斉藤暁は楽器経験者で、「毎日、楽器のある部屋で寝て、3か月、特訓しました」と、中年で新楽器に挑戦する難しさを話していた。また、ドラム担当はプロミュージシャンの稲垣潤一だ。そんな50代のオヤジ5人が組んだバンド“シーラカンズ”は「全国ナイスミドル音楽祭」という実在のコンテストでの優勝をめざす。
「最高のメンバーがそろい、撮影中は夢を見ているようでした」と竹中が締めようとすると、「嘘つけ!」と隣の宅間がツッコミを入れるひと幕もあり、まるで映画を再現したようなライブ感が楽しめるイベントとなった。夢に向かって努力する姿勢が温かな感動を呼ぶ『僕らのワンダフルデイズ』。忘れかけた何かをふと思い出させてくれるはずだ。【取材・文/大森さわこ】