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竹中直人らの中年バンドの熱演に感動する理由って?

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竹中直人らの中年バンドの熱演に感動する理由って?

平凡な中年のサラリーマンが、学生時代に組んでたバンドを再び始め、人生に活路を見いだしていく。竹中直人主演の『僕らのワンダフルデイズ』(11月7日公開)では、おじさんバンドの演奏シーンが実にいい。特にクライマックスのライブシーンが最高に乗れる!

主人公は、竹中扮するサラリーマン藤岡徹53歳。自分が癌だと早とちりし、死ぬ前に家族に“音”を残したいと、昔のバンドのメンバーたちに声をかける。再結成したメンバーに扮するのは、宅麻伸、斉藤暁、稲垣潤一、段田安則の5人。いざ練習してみると、“どっこいしょ”な感じで年は隠せないが、それもご愛敬だ。

「昔は金がなかったけど、夢はあった。今は少し金はできたけど、その分悩みは多くなった」とつぶやく宅麻伸扮する山本。それぞれが仕事に行き詰まったり、親が認知症だったり、親子関係がぎくしゃくしていたりと、悩みは尽きない。でも、互いに悩める中年だからこそ人の気持ちもわかる。それぞれが紆余曲折を経て、最後のライブシーンに突入するのだ。

ライブが盛り上がるのは、友情のエピソードが積み重なって、頂点に達するからだ。ライブで感情を爆発させ、二度目の青春を謳歌する5人が最高! 奥田民生が「僕らの旅」を書き下ろし、彼らの練習シーンを見て音楽のプロデュースまで買って出たのも納得だ。

観た後で、元気をもらえる『僕らのワンダフルデイズ』。ぜひ、周りの疲れたお父さんたちにも観てほしい1本だ。【Movie Walker/山崎伸子】

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