カオス・シチリア物語:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
カオス・シチリア物語
カオス・シチリア物語
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カオス・シチリア物語

1985年8月10日公開
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シリチアの人々の歴史と生活をプロローグから終章まで全5部にわたるオムニバス形式で描く。製作はジュリアーニ・G・デ・ネグリ、監督・脚本は「サン★ロレンツォの夜」のパオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ、原作はルイジ・ピランデルロ、撮影はジュゼッペ・ランチ、音楽はニコラ・ピオヴァーニ、編集はロベルト・ペルピニャーニ、美術はフランチェスコ・ブロンヅィ、衣裳はリーナ・ネルリ・タヴィアーニが担当。出演はマルガリータ・ロサーノ、クラウディオ・ビガリなど。

ストーリー

羊飼いの一人が、卵をかえそうとしているカラスを捕えるが、それはオスで、若い羊飼いたちがそのカラスをあざけ笑い卵をぶつけるゲームを思いついた。驚いた羊飼いは、小さな鈴をカラスの首に巻きつけ空へ放してやった。カラスは、広々とした、しかし荒れた平地にやって来た--。 〈もう一人の息子〉村からアメリカへ移民団が出発する。マラグラーツィアばあさん(マルガリータ・ロサーノ)は、14年前に移民した二人の息子あてに、若い女に代筆してもらった手紙を誰かに託す気でいる。しかし、その手紙は白紙だ。若い女を村人が責めると女は答えた。マラグラーツィアにはもう一人息子がいるのになぜか彼を嫌っている、と。移民団の診断書を持って来た町の若い医師もそのことを知り、手紙の代筆をひき受けるかわりに、その息子を避ける理由をきく。ガリバルディの〈千人隊〉がシチリア解放の壮挙をとげた時、いっしょに自由を得た牢獄の野盗たちに、彼女の夫が捕まり、その行方を追った彼女が野盗の一人に乱暴された。それから生まれたのがもう一人の息子なのだった。語り終わったマラグラーツィアは、石垣に置いてあるカボチャを地面に投げつけた。鈴をつけたカラスが海岸線を飛んでゆく。 〈月の病い〉バタ(クラウディオ・ビガリ)とシドーラ(エリンカ・マリア・モドゥーニョ)は、結婚して20日、貧しいながらも力を合わせて平和に暮らしている。が、その日、美しい満月が空に出た時、バタが苦しげに叫び暴れ回った。気絶したバタを見てシドーラは母のいる村へ逃げ帰った。バタがロバを連れてシドーラを迎えに来た。彼は村人たちに全てをうち明けた。赤ん坊の時、母親が一晩中畑で働き続け、草むらに置き去りにされたバタは〈月の病い〉にかかった。満月の夜のたびに狂う病気だ。満月の夜シドーラを守るために母とシドーラの従兄のサロ(マッシモ・ボネッティ)が満月の夜、泊りに来た。だが、母は恐がって逃げ、サロとシドーラが家に入った。かつてから彼女はサロに恋していたのだ。雨がやみ満月が光ると、外にいたバタが苦しみ出した。その声にサロは外に飛び出しバタを鎮めた。夜明けにサロと母は去り、残されたシドーラは夫の介抱をするのだった。カラスは広大なオリーブ園へと飛んでゆく。 〈甕〉大地主ドン・ロロ(チッチョ・イングラッシア)のオリーブ園は、今年大豊作。油を入れる巨大な甕を特別注文した。その甕が届いた日の夜、甕はまっ二つに割れた。翌日それを見た彼は、シチリア一の甕なおしの名人ディーマ(フランコ・フランキ)に修理するように命じる。しかし、修理を終えたディーマは、背中のコブがひっかかって甕から出られなくなった。あわてたドン・ロロは甕の中のディーマを責める、ディーマは小作人たちと大宴会を開いた。最高潮に達した時ドン・ロロは怒り、ディーマの入った甕をけとばした。その中から、ディーマがよろよろと姿を現わした。カラスはさらに山の方へ--〈レクイエム〉マルガリの人々は、村に墓地を造ることを禁止されているので、一日かかる山のふもとの墓地を利用している。村人の代表が村に墓地を造ることを県知事に請願した。村の長老(サルヴァトーレ・ロッシ)が死にかけ、墓地を村に造ることを願うが、地主の男爵はうけつけない。しかし、長老は自分の墓を村に掘らせ鐘楼まで建てさせようとした。その作業をやめさせようとする憲兵隊。その最中、長老が亡くなった。作業を中断して帰ってゆく憲兵隊。棺の中の長老は、やがて眼をあけて死を待つのだった。 〈母との対話〉人生に疲れたルイジ・ビランデッロ(オメロ・アントヌッツィ)は故郷にやって来た。馬車で通る風景は彼が小説に書いてきた風景だ。立派な屋敷には、亡くなったはずの母(レジーナ・ビアンキ)が椅子に坐っている。彼女は語る「もはや見ることのできなくなった者の眼でものを見るのが大事だ」と。さらに少女時代の思い出を語る。亡命した父を追って母親と兄妹とともに船にのった日々を……。母の幻は消え、ルイジは思いに沈んでいた。

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作品データ

原題
Kaos
製作年
1984年
製作国
イタリア
配給
フランス映画社
初公開日
1985年8月10日
製作会社
ライ・ラディオテレビジョン・イタリアーナ=フィルムトレ・プロ


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