『キングダム 大将軍の帰還』で怒涛のクライマックスへ!大沢たかおが熱演する王騎将軍のこれまでをプレイバック|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『キングダム 大将軍の帰還』で怒涛のクライマックスへ!大沢たかおが熱演する王騎将軍のこれまでをプレイバック

コラム

『キングダム 大将軍の帰還』で怒涛のクライマックスへ!大沢たかおが熱演する王騎将軍のこれまでをプレイバック

原泰久による空前のベストセラーコミックを、山崎賢人の主演で実写映画化した大ヒットシリーズの第4弾『キングダム 大将軍の帰還』(公開中)。山崎が演じる天下の大将軍になる夢を抱く少年の信と、吉沢亮が扮した中華統一を目指す秦国の若き王である嬴政(えいせい)が様々な困難に立ち向かっていく姿が描かれてきた。壮大なスケール感に信と嬴政の絆、連続する怒涛のアクションが大ヒットの要因だが、それだけではない。

大沢たかおが体現してきた秦の大将軍、王騎を軸に回る崇高なドラマも、観る者を魅了し続けてきたもう一つの重要なベクトル。そして最新作では、王騎将軍の知られざる過去や宿敵との激突が物語のメインストリームとなっている。そこで本コラムでは、王騎将軍の威厳とスゴさ、信との関係性の変化などを大沢の驚愕の役づくりと共に振り返っていきたい。

まさに大将軍!という存在感で嬴政、信の前に現れた『キングダム』

2019年公開のシリーズの記念すべき第1作『キングダム』では、戦災孤児の信が、嬴政の身代わりになって死んだ幼なじみの漂(吉沢の1人2役)の想いも胸に天下の大将軍になる夢を掲げるところから始まった。彼がそんな野望を胸に刻んだのは、大将軍の王騎を目の当たりにしたのがきっかけだ。そこに説得力がなければ信の“戦いの心”に火がつくことも観客の心をつかむこともなかっただろうが、軍勢を率いて現れた王騎にはそんな心配とは無縁の原作コミックまんまの再現率で信も観客も圧倒!

天下の大将軍を目指して戦場を駆け抜ける信
天下の大将軍を目指して戦場を駆け抜ける信[c]原泰久/集英社 [c]2024映画「キングダム」製作委員会

大沢も王騎が本作の肝=キーパーソンになることを重々承知していたに違いない。体重を17kg増量して王騎になりきり、「ホッホッホッ」や「ンフッ」というその特徴的な笑い方も自分のものに。肉体改造を施したその巨体はまさに大将軍の貫禄で、大きな背中は信の指標にふさわしいデカさになっていた。

嬴政に向かって「あなた様はいったいどのような王を目指しているのですか?不遜な答えをこの矛は許しませんよ」と迫った際の“圧”の強さ、「童 信、次は本物の戦場で会いましょう」と言った時の期待と温もりを感じさせる瞳も王騎の器の大きさを感じさせるものだったから、原作ファンも大満足!SNSもその完成度の高さを讃える声にあふれていたものだ。

飄々としながらも、厳しく信を育てる王騎将軍
飄々としながらも、厳しく信を育てる王騎将軍[c]原泰久/集英社 [c]2024映画「キングダム」製作委員会

信に戦場や戦いについて説いた『キングダム2 遥かなる大地へ』

2022年公開の『キングダム2 遥かなる大地へ』では、前作で信に放った言葉通り、初陣を迎えた彼とそこで再会する王騎とのただならぬ関係性がより密接なものになっていた。本作は、哀しい目をした謎の暗殺者、羌瘣(きょうかい/清野菜名)や同郷の尾平(岡山天音)と尾到(三浦貴大)らと最弱な運命共同体「伍(五人組)」を組んだ信の活躍を描いた、原作の人気のエピソード「蛇甘平原の戦い」の映画化。圧倒的な劣勢のなか、羌瘣と共に敵陣に切り込んでいく信の大迫力の剣術アクションに目が釘づけになったが、「またお会いしましたねえ」と現れた王騎は「期待外れもいいところです」とバッサリ!

信率いる100人隊は王騎将軍によって「飛信隊」と名付けられる
信率いる100人隊は王騎将軍によって「飛信隊」と名付けられる[c]原泰久/集英社 [c]2024映画「キングダム」製作委員会

演じた大沢の身体が1作目よりもさらに大きくなっていたこともあって、秦軍の総大将であり“本能型”と言われる麃公(ひょうこう/豊川悦司)と、敵国の魏を率いる軍略に優れた呉慶(小澤征悦)の戦況を見ながら、「戦場は知略がすべてではありません。時には、野生の直感で動く本能が勝ることもあります」という持論を展開する王騎の言葉にも重みが感じられた。

それでいて、「俺に馬を貸してくれ!」と言って駆けていく信を見ながら、「あの手のおバカさんはたいてい早死にしますからね」とほくそ笑む瞳には喜びや優しさの色合いも。信に過酷な試練を与え、その動向を見守る王騎の姿に、我が子を崖から突き落として鍛えるライオンを重ねた人も多いに違いない。


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