冬の光
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冬の光

1975年9月13日公開、86分
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ベルイマン作品の最高傑作といわれ、病を押して神の栄光を説き続ける牧師のうつろな姿を通して一貫したモティーフである“神の沈黙”を描き出す。原題は「聖体拝受者」という宗教用語で、「冬の光」は海外用の題名。一九六三年度OCIC国際カトリック映画局グランプリ、同年第八回ウィーン宗教映画週間で最優秀外国映画賞を受賞。

ストーリー

スウェーデンの小さな町の冬の日曜日の朝。古めかしい教会の礼拝堂で、牧師トマス(G・ビョルンストランド)は会衆を前にミサを行っている。風邪をひいて体調は最悪だったが、無事ミサを終えてほっとしていると、漁師の夫妻が相談に乗ってほしいという。妻のカリン(G・リンドブロム)は、夫のヨナス(M・V・シドー)が中国も原子爆弾を持つというニュースを新聞で読んで以来口をつぐみ続けるので魂の安らぎを与えてやってほしいという。しかし牧師自身も最愛の妻に先立たれてから失意のどん底にあり漁師の悩みを解決してやれる状態ではなかった。夫妻はもう一度出直してくるといって帰ったが、そこに女教師マルタ(I・チューリン)が来て、彼のことをあれこれ気づかう。マルタは妻亡きあとの彼の愛人だったがトマスにとってはそんな心づかいもマルタの過剰な自意識とともに辟易しているのが本心だった。だから前日、彼女から届いた手紙も読まずポケットに収めたままだったが、ヨナスを待つ間、それを読み始めた。そこには、二年越しの二人のいきさつが愚痴ともつかず愛の告白ともつかぬまま、くどくどと並べられていて、トマスの焦立ちは深まるばかりだった。再び訪ねて来たヨナスと向きあったが牧師としての自信が揺らいでいる彼は常識以上のことは何もいえずヨナスには何の力にもならなかった。ヨナスはそれから間もなく、激流が音をたてる河辺でピストル自殺で命を絶った。そして、マルタは彼の煮えきらない態度に決断を迫り、ヒステリックな言葉のやりとりの末、トマスとの訣別を知らされる。それから数時間後、隣の教区の礼拝には一人の会衆も見出せぬ教会にそれでも型通りの式を進めていく牧師トマスの姿があった。いや、そこには、たった一人の聴聞者は別れたばかりのマルタだった。

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作品データ

原題
Winter Light Nattvards Gastrna
製作年
1962年
製作国
スウェーデン
初公開日
1975年9月13日
上映時間
86分
製作会社
スヴェンスク・フィルムインダストリ


[c]キネマ旬報社