ローレンス・ハーヴェイ
Joe Lampton
英国の新人作家ジョン・ブレインの原作を、ジャック・クレイトンが監督した作品。上流階級への野心と、自己の愛情との矛盾に悩む若い主人公を描くドラマである。脚色は「綱渡りの男」の原作者ニール・パタースン。撮影をフレディ・フランシス、音楽をマリオ・ナシンベーネが担当している。出演するのは「潜航雷撃隊」のローレンス・ハーヴェイ、「光は愛とともに」のヒーザー・シアーズ、「サレムの魔女」のシモーヌ・シニョレ、ドナルド・ウォルフィット、ドナルド・ヒューストン、レイモンド・ハントレー等。製作ジョン・ウルフとジェームス・ウルフ。
イギリス北部の都会ウォーンリー。ここの役所に赴任したジョー(ローレンス・ハーヴェイ)は立身出世を夢みるドライな青年だった。彼の望みはウォーンリーの高級住宅に一家をかまえることだった。それは上流社会に出入りすることを意味した。同僚は彼の夢を嘲笑した。彼は一級品ばかりの生活を諦らめなかった。やがて彼は市の有力者ブラウン氏の娘スーザン(ヒーザー・シアーズ)に目をつけた。彼は目的達成のために、彼女の跡を執拗に追った。ブラウン氏は上役に命じて、二人の交際をやめさせようとした。彼はくじけなかった。ブラウン氏はスーザンをフランスへ旅行に出した。落胆したジョーは、スーザンの入っている素人劇団の女優でフランス人の人妻アリス(シモーヌ・シニョレ)と知合った。不幸な結婚に悩む人妻と、青年の恋は火と燃えた。しかし、ジョーはスーザンをあきらめていなかった。フランスから帰った彼女を、ジョーはとうとう口説き落した。スーザンは妊娠した。純真な彼女はジョーとの結婚を真剣に考えた。娘の変調を知ったブラウン氏は、金と仕事を保証する条件でジョーが市から立ち去ることを申込んだ。ジョーは拒絶した。彼の態度をみたブラウン氏は、二人の結婚を許した。しかし、ジョーの心にはアリスのひたむきな愛情も忘れ得ぬ存在となっていた。しかしジョーはブラウン氏の申出をきかざるを得なかった。アリスはジョーからすべてを聞いた。放心した彼女は自殺した。アリスの死を知ったジョーは自分の犯した罪を、泥酔することで忘れようとした。しかし、周囲の人々はジョーをスーザンとの結婚にせきたてた。ある日、二人のめでたい結婚式が華かに行われた。ウォーンリーは街中挙げて、二人の結婚式を祝った。しかし、ジョーの苦悩にみちた表情は、まわりの華やかさにくらべて、あまりにも暗かった。
Joe Lampton
Alice Aisgill
Susan Brown
Mr. Brown
Charles Soams
Mr. Hoylake
Jack Wales
George Aisgill
June Samson
Elspeth
監督
原作
製作
製作
撮影
音楽
美術
脚色
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